「不動産を売却したいけど、何も解らないので騙されたりしないか不安。」
「不動産の売却についていろいろと知っておきたいけど、何から手を付けて良いのかよく解らない。」
「不動産売却へ向けて動き出したけど、本当にこのやり方で大丈夫かな。」
こうした不安や悩みは、これから不動産を売却しようとする人の多くが抱くものです。
過去に不動産売却を経験したことのある人や、不動産業界に携わったことのある人でもない限り、無理もありません。
法制度上必要となる様々な手続きについて、きちんと対応できるのかどうかといった『手続面』での不安、そして、大きな金額が動く取引だからこそ膨らむ「どこかで騙されたりはしないか。」という『金銭面』での不安、そういった不安要素というのはあって当然です。
不動産取引には、必ず処理しなければならない手続きをはじめとして、満足のいく結果を得るために押さえておくべきポイントというものがいくつか存在します。
ただし、あなた自身がそれらのこと全てを把握しておかなければならないわけではありません。
絶対に押さえておくべきポイントを外しさえしなければ、たとえ初心者であったとしても、不動産の売却を満足度の高い形でしっかりと完結させることは可能です。
そこで今回は、そんな不動産取引の初心者の方が、不動産の売却を成功させるために知っておくべき「外してはならない、絶対に知っておくべきポイント」についてご紹介していきたいと思います。
今回の記事でご紹介する各項目については、別途当サイト内にあるそれぞれの解説記事で詳しくお話していますので、気になる箇所については是非そちらも併せてご覧いただきたいのですが、ここではそういった詳細な内容について全てお話していくというよりも、「どのような事を知っておくべきなのか」という「”全体像”を掴むこと」を目的として、”網羅的”にお話ししていけたらと思います。
この記事を読み終えた時、
「なるほど。なんとなくだけど、不動産を売却するにはどこに気を配っておくべきなのかについては理解ができた。」
そうなっていただけると思いますので、これから売却を目指そうと考えている方も、すでに売却手続きを進めている最中だという方も、どんなタイミングにいる方でも、是非最後までご覧いただければと思います。
それではさっそく、本題へと入っていくことにしましょう。
不動産売却の世界へ、ようこそ。
Contents - 目次 -
『不動産業者の見極め方』を知る
さて、早速ですが、結論から言ってしまいましょう。
不動産売却において、あなたが絶対に外してはならないポイントのうち、最も重要なものは何か。それは、
『不動産業者をしっかりと見極める』
という事です。
とにもかくにも、この事さえしっかりとできていれば、他のポイントについて少々自分の中で理解が進んでいなかったり、抜け落ちてしまっていたとしても、あなたが”騙される”、”大きな損失を被る”というようなことは起きません。
なぜそこまで言い切れるのかという理由については、 NO35 で詳細に解説していますので、ここでは簡単にその考え方についてだけ触れておくことにしましょう。
まず、あなたが不動産(取引)に関して”素人”だと自認するレベルにあり、それでも不動産売却で満足のいく結果を得ようとするならば、現実問題として、その売買にはプロの力を借りるより他に方法はありません。そのことに異存はないでしょう。
全ての営業行為(買主候補者を見つ出す所からその交渉に至るまで)を自分の力でこなし、全ての必要とされる処理や手続きまで自分の手で完結させてしまおうなどと考えるのは、はっきり言って”無謀”です。
マンションや土地・建物と、一言で”不動産”と言ってもその中身は様々で、各タイプごとに必要な手続きや気を付けるべきポイントも異なってくるという中で、素人がその全てを自分で正確に処理していくという事はやはり非現実的だと言わざるを得ないのです。
仮にあなたが、今回の不動産取引を機に不動産業の”プロ”としてやっていこうと考えているだとか、今後いくつもの類似案件をこなしていかなければならないだとか、そういった特殊な事情を抱えているケースは別として、多くの人にとって、不動産の売買というものは、人生においてそう何度も何度も繰り返し経験するようなものではありません。
そのため、多くの人にとって”最初で最後”となる可能性の高い今回の売却を成功させるカギを握っているのは、やはりその道のプロであり、数々の取引を経験してきている不動産業者となってしまうのです。
そして、現実的にその取引の大部分の手続きや交渉事をそのパートナーである不動産業者に頼らざるを得ない以上、その頼るべきプロが信頼に足る、安心して任せられる相手でなければならないというのも言うまでないことです。
したがって、不動産取引に精通していない人にとって、自分の分身となって動いてくれることになるプロのパートナーを、数ある不動産業者の中から的確に選択するということが、何よりも大切になってくるわけです。
あなたが不動産を売却する相手となる買主側も、ほとんどの場合で不動産業者を仲介業者として入れてきます。
もしもあなたが自分でそんな相手方の不動産業者と直接対峙するとなった場合、向こうは相手(あなた)が素人だからと言って、懇切丁寧に対応をしてくれるなどということはありません。むしろあなたが素人だと判れば、言葉巧みに誘導し、様々な条件において向こうの都合の良い形に着地させられるというのが関の山でしょう。
「全てを疑ってかかるべき」と、あなたを不必要に怖がらせるつもりはありませんが、初心者がプロと対峙するというのは、それぐらいの状況を生みかねないということも知っておいて損はないでしょう。
「地面師事件」というものを見聞きしたことがあるかもしれませんが、最近でも、超大手の不動産業者でさえも騙されてしまう様な事件が現実に起きています。
ですので、是非自分の強い味方となってくれるような不動産会社を見つけ出すためにも、前述の NO35 なども参考にしつつ、そうした”眼力”を磨いていく勉強を続けていってもらいたいと思います。
対象不動産の『現在価値』を把握する
そして、さらにもう一つ、上記でお話した「不動産業者を見極める」という事と同じぐらい大切であると言っても過言ではないポイントというのが存在します。それは、
あなたが売ろうとしている不動産の現時点における価値を正確に把握しておかなければならない
ということです。
これはよくよく考えみると、ある意味で非常にシンプルなことではあるのですが、多くの場合軽視されてしまいがちです。
たとえあなたが、信頼できそうな不動産業者を見つけることができ、ほぼ全ての手続きを丸投げ状態で進めていく事ができたとしても、最終的に買手側へ提示することとなる「売出価格」や、交渉の末にたどり着く「売却価格」というのは、あなた自身が判断していかなければなりません。
「今この物件はどのぐらいの価値があるものなのか。」ということをベースとして、「この価格じゃ今は売るべきじゃない。」とか、「市場での需給関係なども鑑みて、今少し価格をディスカウントしてでも売却を決断した方が得策かもしれない。」などといったことを、その時その時の状況に応じて決断していかなければならないのです。
そうした局面において、それを判断するための”土台”とも言うべき「現時点での価値水準=価格」というものが自分の中で把握できていなければ、正しい判断をしようにもできるはずがありません。
したがって、何よりもまず知っておかなければならないことは、「その不動産の価値」ということになるわけです。
言い方を変えれば、あなたが実際に売却に向けて行動に起こしていこうとする時に、まず最初に取り掛かるべきものこそ、この「査定」というプロセスと言えるのです。
もちろん、既に売却の手続きに入っているという方であれば、もう査定は済ませているという場合も多いのではないかと思いまが、実はそこにも一つ落とし穴が隠されています。
それは、当初何も解らない状態で一度査定を受け、対象となる不動産価格が判った時点で、「よし。査定は済んだ。」と判断してしまう場合がほとんどだということです。
つまり、たった一度の査定による査定結果(=金額)を見ただけで、「なるほど。うちの物件は今これぐらいの価値なんだな。」と安易に納得してしまっているケースが非常に多いのです。
これこそが大きな落とし穴なのです。
そんな落とし穴にハマってしまわないため、ここであなたに覚えておいていただきたいことは、
パートナーとなる「不動産業者」については、最終的には1社に絞る必要があるのに対し、「査定」は何件受けても構わない
ということです。
「査定」に関しては、10件受けようが、20件受けようが何も問題はありません。
不動産を査定できる専門家というのは、その会社の業態や、そもそもの背景にある資格等の専門性の違いという部分においていくつかの種類に分けられます。ごく一般的な不動産会社から、瑕疵の有無についてまで細かく検査を行う様な機関、そして不動産鑑定士といった専門性の高いプロの人たちなど、実に様々です。
かといって、必ず全ての角度から見てもらう必要があるというわけではありませんが、査定を行う業者・専門家ごとに、その能力や、持っているデータやノウハウ、販売先の豊富さなどといった面で差があるというのは事実ですし、そのことを考えると、やはりある程度正確性の高い価値基準を把握しておくためには、少なくとも3~4件、複数件の査定を必ず受けておくべきとも言えるのです。
もちろんこれは、査定を受けるという行為そのものが目的というわけではありません。
あくまで売却交渉の中で適切な判断を下せるよう、あなた自身の中に、対象となる不動産の正確な価値基準を持っておくために行っておくべきプロセスということになります。
もう一度言いますが、「不動産会社」は基本的には1社に絞る必要があるのに対し、「査定業者」はいくつもの業者に査定を依頼することが可能です。(不動産業者に関しても、その契約形態の種類等によっては複数契約できるパターンもあるのですが、できることなら本当に信頼できそうな業者を1社軸として考えておいた方が良いかと思います。その辺りのことについて詳しくは、 NO35 )
では、何のために複数社の査定を受ける必要があるのかと言えば、それは
- 複数社から得られる査定結果について比較をし、ある程度の”レンジ”でその不動産の価値を捉えることができるようになるため
- 様々な業者の話を聞くことで、あなたが不動産に関する知識を高めることに繋げられると同時に、算出根拠や査定結果の背景にある考え方に触れることで、自分でもその物件の価値基準に対する納得感を高めていくことができるため
という2つのポイントが挙げられます。
要は、「なるべく色々な角度からたくさん話を聞くことで、初心者とはいえども段々と皆が言っていることが正しい事なのかどうなのか肌感として解るようになってきて、自分の中でもその価格水準について納得感を得る事ができる。」という状態を目指したいわけです。
これは、既に手続きを進めているという方であったとしても大丈夫です。どのタイミングであったとしても査定を受ける事は可能です。
最初に一社から査定を受けただけで、「(うちの不動産の価格は)そういうものだと思っていた。」と考えてしまっていたという方であっても、今からでも改めていくつかの査定を受けてみられることをお勧めします。
「やり方がわからない。」、「誰にお願いすれば良いの?」という方は、 NO65 なども一つの参考にしてもらいつつ、動き出してみてください。
売却が完了し、物件の引き渡しも済んだ後になって、「なんだ。もっと高く売れていたかもしれないのに。」などと後悔してしまうことが無いよう、事前にできる限りのことは全てやってしまっておきましょう。
不動産売却に『必要な手続き』とその『手順』について
「不動産を売却する時、実際にはどんな流れでその手続きが進んでいくのか。」という”全体像”をザックリとでも事前に把握しておくということも非常に大切なポイントの1つです。
前述の通り、あなたの分身となってくれる不動産業者のパートナーが見つかったとしても、あくまでも当事者は”あなた”であるということは言うまでもありません。
最終的な「売出価格」や「売却価格」、その他細かな「条件」等について最終判断を下していくのは、不動産業者ではなく、あなた自身であるという事を改めて認識しておくようにしてください。
売却に必要となる手続きやその手順について詳しくは、 NO27 や NO29 をご覧いただければと思いますが、先程も言いました様に、その全体像を把握しておくという事もさることながら、どこでどのような交渉・決断をしていく必要が出て来るのかという事についても事前にしっかりと整理・把握をし、場合によってはパートナーである不動産業者とも相談をしておかれると、実際にそうした場面に出くわした際にも、迷うことなく、そして間違うことなく判断を下していく事ができるかと思います。
”備えあれば憂いなし”ということで、その時になって慌ててしまわないためにも、今後の流れについてもある程度は確認をしておくようにしましょう。
売却時の『手数料』
売却にかかる「手数料」について気になる方も多いでしょう。
不動産の売却を完了させるまでの間には、法律に則った手続き上必要となる項目をはじめとして、各種専門機関を利用した際の料金や手数料、その他調査・営業活動に係る実費部分など様々な費用が発生します。
売却に際して、不必要に費用が膨らんでしまったり、それによって最終的な売却代金の手取り額がことのほか少額になってしまったりといったことが無いよう、そうした費用項目、つまりあなたが支払う必要が出て来る可能性のある”出費”について、事前に想定・検討しておきたいところです。
当然のことながら、売却完了までの施策やその費用の中には、必ず必要であるとは言えないものの、多くの潜在的な買主にアプローチをするためや、売却価格を高めるためには支出しておくべき費用というものも存在します。
したがって、 NO41 、こうした記事も参考にしながら、各施策について、そしてそれらの費用について、”要・不要”を慎重に判断していっていただければと思います。
売却代金にかかる『税金』
これも不動産売却において気になる項目の一つとして外せないものと言えるでしょう。
そう、「税金」の問題です。
というよりも、この税金が気になるという先にある本当に気になることというのは、「(売却代金の) 最終的な手取り額」と言ってしまった方が正しいかもしれません。
不動産を売却できた暁には、売却代金を手にすることになるわけですが、過去に大きな収入を得たことの無い人が、不動産の売却代金の様な大きな資金を急に手にした時、中には気が大きくなってしまい、想定外の大きな買い物をしてしまうという人も出てきます。
そうなった時に怖い事、それこそが「税金」なのです。
ご存知の方も多いかとは思いますが、敢えてお伝えしておくと、売却代金はまだ税金を払う前の金額だということを絶対に忘れてはなりません。
もちろん、税額の計算式というのは、非常に複雑な過程を経て算出されることになるものですし、各種控除項目等も加味すると、結局は「税金は払う必要がなかった。」という場合も少なくはありません。
それでも、「ふたを開けてみなければ判らない。」という事実をしっかりと認識しておくということも非常に大切です。
不動産売却時の税金については、 NO46 で詳しく解説していますが、ここで注意しておいていただきたいのは、売却代金がまるまる手元に残るとは限らないという事をしっかりと知った上で、その資金の使い道や活用方法を考えていかなければならないということです。
手にしたことの無い大きな資金が手に入り、気が大きくなってしまった事で次々と出費がかさみ、いざ納税のタイミングとなって初めて使い過ぎてしまった事に気づいて、新たに借金をする羽目になる、そんな情けない状態になってしまわないよう、くれぐれも気を付けてもらいたいと思います。
いろいろな『売却方法』
「不動産の”売却”」と一言で言っても、その売却の仕方には様々な形が考えれます。
最も一般的な形として想定されるのは、不動産の所有者である売主が不動産業者を仲介者として選び、売主を探して様々な交渉・手続きを経て売却を完了させるという方法です。
ですが、その他にも、たとえば売主が自ら買主を探し出してきて、いわば”個人対個人”という形での売却を目指したり、個人間の取引には変わりはないものの、”知り合いに譲る”という形で売買を行ったりするといったことも考えられるかと思います。
今あなたが、身近な友人・知人に売却することを検討しているといった状況に無い場合で、普通に不動産業者に依頼をし、なるべく良い条件で買い取ってもらえるように売却を進めていくという方であれば、それほど関連する項目というのは出て来ないかもしれませんが、そういった可能性が考えられるという方については、 NO55 も併せてご覧いただけたらと思います。
不動産の種類による違い
これも冒頭でも少し触れましたが、あなたが売ろうとしている不動産が「マンション」なのか「土地」なのか、はたまた「建物」なのかという、その”種類”によっても売却に向けて気を配るべきポイントは異なってきます。
少しでも高く買い取ってもらうためにはどういったことに気を付けるべきなのか、そして、戸建てを売ってマンションへ移る、その逆もまたしかりですが、自分が売ろうとする物件以外の不動産に係る維持費などの状況はどんなものなのかといったことを知っておきたいと思う方もいるかもしれません。
それらの点については、 NO61 や NO39 なども参考にしていただきつつ、あなたが思い描く未来、つまり「実際にはどのぐらいの売却代金が手に入るのか。」といったことや、「次の物件に移ったら維持費はどう変わるのか。」について考えるヒントにしていただけたらと思います。
高く売る方法
「不動産を売る。」ということになると、冒頭でもご紹介したような不安要素に加え、やはり最も気になることの一つが、「売却価格」、つまり「はたして、いくらで売れるのか。」という事ではないかと思います。
不動産というのは、多くの人にとって、一生のうちで”最も高い買い物”となるものです。
そんな買手の立場から考えてみると、当然良いものを安く買えるというのが最も理想的な買い方という事になるわけですが、「違法建築」や「悪徳業者」のような不届き者もいて、”安かろう悪かろう”と捉えてしまう人も中にはいるかもしれません。
つまり、売手は「高く売りたい」、買手は「安く買いたい」と思うのは自然の摂理であり、”世の常”です。
では、そうした普遍の摂理・心理的背景がある中で、こちらとしては少しでも高く売る為にどうすれば良いのかというと、そこにはいくつかのテクニックが存在します。
結局のところ、それはそんなに難しい話ではなく、簡単な事であってもできることを着実に積み上げていく事で対象不動産の価値を引き上げていく事が可能だという話になるのですが、「少しでも高く!」を実現するためのテクニックについて知りたいという方は、是非 NO39 も参考にしていただきつつ、少しでも高値での売却を実現してください。
早く売る方法
場合によっては、今回の不動産売却が「”金策”のため」ということもあるかもしれません。
その場合には、次にご紹介する金策の方法という事も気になるかとは思いますが、何より「この不動産を一刻も”早く”お金に変えなければ。」という人も多いことでしょう。
今回の売却は金策とは関係ないという方は、この項目と次の項目に関しては飛ばしてしまって構いませんが、該当する方は NO57 も参考に、早期売却を実現していただきたいと思います。
「相続物件」の売却で気を付けること
これも不動産を売却しようとするパターンとしては少なくはないかと思いますが、売却しようとする人が不動産を相続した”相続人”、もしくはこれからその不動産を誰かに渡す(相続する)ことになるかもしれない”被相続人”であるというケースです。
不動産の売却を目指す人というのは、大きく分けて3つのパターンがあるかと思います。
- 相続した物件を売りたい
- 自分が住んでいた物件を売りたい
- 投資物件として購入していた物件を売りたい
このような人たちです。
3,の「投資物件」の場合については、基本的にはそれを扱う人というのも、そのほとんどが”プロ”か”セミプロ”とも言うべき人たちですので置いておくとして、ここでは初心者向けにお話をするという前提ですので、問題は1および2の人たちです。
2に関しては、当記事でも冒頭でお話したように、信頼できるパートナーとなる不動産業者を見つける事ができて、自分でもある程度その売却が妥当なものなのかどうかが判断できるようになっていれば、大きな失敗をしてしまうという事は概ね避けられるかと思います。
ただ、1の”相続した物件”という場合に関しては、それに加えて、「相続特有の問題、検討事項」というものが関わってくる可能性も出てきます。
したがって、当サイトではこの”相続物件の売却”に関しても、様々な形で整理する内容の記事をご用意しているのですが、まずは NO25 などを参考に、”不動産の売却”に”相続”が絡んだ場合には、一体どういった点に気を配っておく必要があるのかということについて頭の中を整理しておくことも非常に重要です。
その他【タイプ別トピックス】
以上、ここまでが不動産売却に臨む初心者が絶対に押さえておきたいポイントとなります。
不動産売却に少なからず不安を抱いているという方は、是非これらのポイントを自分の中でつぶしていきながら、納得のいく、満足度の高い売却を実現していただきたいと思います。
そしてここからは、「タイプ別トピックス」といたしまして、上記の必須ポイントから少し派生した内容、つまり「人によっては知っておいて損はない。」、「こういったことを考慮した方が良い場合もある。」という様な内容についてご紹介していきたいと思います。
参考までに一度サッと目を通しておいていただいても良いかと思いますし、「金策が必要。」、「競売について知りたい。」、「売却しないという選択肢についても考えてみたい。」というような方に関しては、何かヒントが得られる可能性もありますので、是非最後までご覧ください。
不動産を活用した金策(資金繰り)
不動産を利用した金策。そんな都合の良い話があるのか、と思われるかもしれませんが、昨今では、金融技術や様々なサービス競争、法改正等によって、それが可能となるようなやり方も出てきています。
何の苦労もなく、どんどんお金を出してもらえるというような”うまい話”はなかなかありませんが、知恵を絞って様々な方策を検討することで、様々な条件や環境が合致した場合には、ある程度まとまった金額が準備できる可能性も出てきます。
”背に腹は代えられない”と、「全てを投げ売ってでも”キャッシュ”が必要なんだ。」と切羽詰まっているという方は、以下の記事も参考にしてみてもらえればと思います。
NO39
NO438
競売について
「不動産を売る」ということで言うと、それが「競売」によるものの場合も考えられるかと思います。
自分の意思で売却を目指す「任意売却」と、この「競売」がどう違うのか、そしてまた、なぜそういった手続きが必要となるのかといった、競売に関する内容については、 NO59 を確認していただければと思います。
不動産の『維持費』について
次章でもご紹介しますが、ここでは発想を転換し、「売却しない。」という選択肢についても少し検討してみたいと思います。
特に不動産を相続した場合などに多いのですが、不意に自分のものとなった不動産が出て来た場合、すぐに頭の中で「売るとすれば、いくらぐらいで売れるだろう。」という風に、売却へと思考が向いてしまうということはよくあります。
ただ、その一方で、それまで実際に不動産を”所有”したことが無い人にとってみれば、仮に”売らない”という選択をした場合には、その「維持費」というのはどのくらい必要になるものなのかということも把握しておかなければなりません。
「もしかするとその土地を将来何かに活かすという道もあるかもしれない。」とか、「万が一その不動産(土地や建物、マンションといった)が必要になった時に売らなかったら良かったと後悔したくない。」というように、「(売却せずに)残しておくということが現実的に可能ならば、それも検討しておきたい。」と言う人にとってみれば、やはりこの「維持費」についても気になるところです。
したがって、 NO61 も参考にしつつ、もしもあなたが「継続保有する。」という可能性もあるというのであれば、この「維持費」についても勉強してみてください。
売却”しない”という選択肢
最後に、前章でも触れたように、当サイトでは、不動産を売却するということに関して、その関連情報、お役立ち情報を様々な形でお届けしているのですが、中には、「不動産の売却は苦渋の選択である。」とか、「できることならば売りたくはなかった。」という人もいるかもしれません。
そんな方は、まだ手遅れになる前であれば、「不動産を売却しない」という選択肢もあるかもしれませんので、そこについても少し触れておければと思います。
今あなたは不動産を売却したいと思い、色々と調べたり、行動を起こしてみたりしている所かと思いますが、そもそも「売却しよう。」と思い立ったのは、どのような理由からだったのでしょうか。
「金銭的に切羽詰まっていて、もう売らざるを得ない。」という状態であれば、前述の様な「金策」という形で検討していかなければなりませんし、「相続税を払えないから、不動産をキャッシュ化しないといけない。」という場合もあるでしょう。(これも一種の”金策”ではありますが。)
そこで検討してみていただきたいのは、「その不動産を売らずに、今売ろうとしている理由を解決できる策はないものか。」ということです。
これは何も、「売らないで済むなら売るべきでない。」ということが言いたいわけではありません。
そうではなく、もしもあなたが「売りたくない。」と思っているのであれば、一旦冷静にその売る理由について再考してみて欲しいという事なのです。
また、「不動産を相続したけど、活用のしようもないからなんとなく売却を検討する。」とか、「住居を移る必要があって、以前購入した不動産を売却したいと思っている。」というような場合でも、少し冷静に考えてみる余地はあるでしょう。
つまり、「そこに”売らない”という選択肢は本当にありませんか?」ということを問いたいのです。
その心はと言うと、急いで売る必要が無いものを、売るタイミング等について深く考慮するわけでもなく手放すということになると、損をする可能性があるためです。
もちろん、上記でお話したように、不動産には”維持費”というものがかかってきます。
今、日本中で「所有者不明土地」の問題が出てきたり、過去人気のあった地域の不動産が手放せずに困っているという不動産所有者の話もよく聞かれますが、こうした人たちは、「役に立たない不動産を持っているだけで維持費を支払わなければならないくらいなら、少しぐらいこっち(売手)が費用を出してでも誰かに引き取ってもらいたい。」という想いになっているわけです。
要は何が言いたいのかと言うと、「売るに売れなくて困っている。」というような状況でない限り、「(今はまだ)売らない。」という選択も残っているということを再確認してみてはどうかという事です。
不動産市況の見通しを立てるといったことがそう簡単ではないことは当サイトでも繰り返し申し上げていることではありますが、あなたがもし、その不動産の売却のタイミングを選べるような状況にあるのであれば、少しは勉強して、最善を尽くす方法を改めて検討してみてから、売却に向けて本格的に動き出すということでも遅くないのかもしれません。
まとめ
さて、今回の内容は以上になります。お疲れさまでした。
今回は不動産(売却)の初心者さん向けに、その全体像や、本当に大切な部分を把握するという目的で、押さえておくべきポイントについてお話してきましたが、いかがでしたでしょうか。
各項目の詳細については、是非各章でご紹介した個別記事の方にも目を通していただけたらと思いますが、一方で、もしもあなたがまだ不動産売却の”入口”に立ったばかりというのであれば、早い段階で「あれもこれも」と頭でっかちになってしまう必要はありません。
本文中でも触れましたように、押さえるべきポイントをしっかりと押さえ、そこさえ外さないように心掛けていさえすれば、「騙されてしまう」とか。「結果的に大損させられてしまう」というような最悪の事態は避けられます。
今回の記事がヒントとなって、あなたが満足のいく不動産売却を実現できるよう心から願っていますので、是非気を抜かずに頑張っていただけたらと思います。
それではまた。