当サイトでは、不動産業界や不動産取引について特に詳しいわけでもなく、過去に不動産を売却した経験があるわけでもない”初心者”、”素人”の方を対象に、不動産を売却する際に知っておくべき知識やテクニックといった情報をお届けしていますが、今回は「不動産業者の見極め方」についてのお話です。
今回取り上げるこの「不動産業者」というのは、不動産業界について右も左も解らない”迷える子羊”とも言うべきあなたにとって、時に進むべき正しい道へと導いてくれる”天使”のような存在、そして時に間違った道へと引きずり込もうとする”悪魔”のような存在にもなり得る、いわば”諸刃の剣”です。
これから実際に不動産の売却手続きを進めていく中においては、あなた自身がしなければならない事というのがいくつか存在しますが、とりわけこの「不動産業者の選定」というプロセスは”最重要”のものであるということをまずは認識しておいてもらいたいと思います。(売却手続きの手順等について詳しくは、 No29 )
言ってしまえば、このプロセスをうまくできるかどうかによって、あなたの今回の不動産売却が成功するか否かが決まってきます。
これは決して大袈裟な言い方ではありません。本当にそれぐらい大切です。(理由は後述します。)
したがって、今回は特に”心して”読み進めていただきたいと思います。
大丈夫です。必要な事はすべてこの記事内でお話ししていきます。
この記事を読み終える頃には、あなたも「不動産売却の手続きの中で、不動産業者の選定がなぜそこまで重要なのか。」「不動産業者に求めるべきものとは一体何なのか。」「あなたの心強いパートナーとなるべき不動産業者は、どうすれば見つけることができるのか。」ということが理解できていることでしょう。
不動産業者選びに迷っている方、不安を感じている方、必見です!
この記事は、読者の方に不動産業者選びで絶対に失敗して欲しくないという想いから、なるべく詳細にその考え方や方法をお伝えしたいと考え、非常にボリュームたっぷりの内容となっています。したがいまして、基本的には順に読んでいただいた方が解り易い構成となってはいますが、もしも既にご承知の内容等がありましたら、下記目次も参考にしながら、適宜気になる箇所から読み進めていただければと思います。
それではさっそく見ていくことにしましょう。
Contents - 目次 -
そもそも「不動産業者」って必要?
まず初めに、そもそものお話として『不動産屋さん(不動産業者)って、本当に必要?』ということについて考えてみたいと思います。
結論から言いますと、今のあなたにとってはやはり”必要なもの”だと言い切ってしまって良いかと思います。
もちろん、不動産の取引(売買)というのは、相対(売り手と買い手の直接取引)で行うということも可能です。(”相対取引”について詳しくは、 No205 )
ただ、冒頭でも触れましたように、当サイトが対象としているのは、不動産業界に精通していない一般の方、つまり不動産取引の”素人・初心者”の方々です。
そんな方が相対取引をするために、自ら売却のための実地・予備調査を行い、不動産マーケットの需要動向を見極めつつも、物件の細部にわたる現状について的確に把握し、魅力的な広告宣伝活動を実施して買い手を見つけ出し、値引き交渉や決済の方法等についての条件交渉をまとめ上げ、必要な申請書類や権利関係の手続きなどを法に則って適正に処理した上で正式に契約を締結し、最終的に税務処理まで完結させる、、、というような一連の手続きを行うことが、果たして可能でしょうか。
やはりこれはどう考えても”非現実的”だと言わざるを得ないでしょう。
残念ながら、不動産取引というものは、「関連図書」や「インターネット上の情報」等を参考にしながら、見よう見まねで完遂させられるような代物ではないのです。
したがって、業界に精通していない人、専門的な知識や経験を持ち併せていない人であれば、やはりどうしても不動産業者に頼るしか方法はないというのが現実ということになってきます。
ただし、その一方で、
「そっか、そういうものか。よしわかった。じゃあ、近所の不動産屋さんを探して相談してみようかな。」
そう考えて近所の不動産屋さんへ出向き、「売りたい不動産があるんですけど。」とお願いすればそれで良いのか、と言えば、これまたそう単純な話でもありません。
もちろん、たまたま最初に飛び込んだ不動産屋さんが、これからこの記事で解説していくような各種必要条件を満たした、あなたにとって理想的な不動産屋さんであるならば何も問題はありません。
しかし、そうした幸運に恵まれる可能性というのは、限りなく低いと思っておいた方が良いでしょう。
不動産業者について何も知らぬまま、「どうせ自分は不動産のことなんてよく解らないから。」とか、「どっちみちお任せするしかないんだし。」と、売却についての全てを、何の予備知識もないままに選んだ不動産業者に丸投げで任せてしまうというのは、絶対に避けるべきです。
こうした軽率な判断というのは、結局は全て「売却結果」へと跳ね返ってくることになります。
最後に後悔するのは、他でもない、あなた自身なのです。
実は、あなたの不動産売却の満足度を最大限に高めていくために必要なものというは、いくつかの要素に分けて考えることで明確化することが可能です。(詳細は後ほど。)
そして、そうしたポイントをしっかりと押さえながら冷静に行動していけば、誰にでも満足度の高い不動産売却の達成は可能であるということを、あなたにはここで是非知ってもらいたいのです。
繰り返しますが、『不動産業者の選定』というプロセスは、あなたにとってその売却を成功させられるか、はたまた失敗に終わらせてしまうのかのターニングポイントとなる、最も大切な作業となります。
したがって、”慎重に”、”間違いなく”最良の不動産業者をパートナーとして選定できる様、しっかりと腰を据えて取り組んでいくようにしましょう。
ちょっとブレイク
「街の大家さん」と「不動産屋さん」
ここで、不動産業者の必要性ということについて実感を持っていただくために、「街の大家さんと不動産屋さんの関係」というお話をご紹介しておきたいと思います。 これはどちらかと言うと”不動産投資”の話になってきますので、一般にはあまり知られていない部分でもあるのですが、世の中には自身で所有する不動産からの”賃料収入”によって生計を立てている人、もしくは副業で賃料収入を得ている人というのが少なからず存在します。(これらの人たちをここでは「(街の)大家さん」と呼びます。) では、そのような「街の大家さん」というのは、みんなが会社としての「不動産屋さん(不動産業者)」なのでしょうか? 答えは、”NO”です。 こうしたいわゆる「大家さん」たちは皆が不動産屋さん、つまり”業者”なのかと言えば実はそうではありません。(実態はほとんど一人で管理しているが、便宜上”法人化”しているといったケースはもちろんあります。) 不動産関係の事柄について規制する「宅地建物取引業法」においても、このような「自分の不動産を直接誰かに貸し出す行為については免許は必要としない。」と規定されています。(法的には、不動産業者のことを”宅地建物取引業者”と呼びます。) したがって、街の大家さんたちの多くが、自分たちの力で銀行等から借り入れをし、その資金をもとに物件を取得して、誰かに貸し出すことで賃料収入を得ているのです。 ただしその一方で、現実にはそういった大家さんたちにとっても、少なからず不動産屋さんのお世話にならざるを得ない部分というのが出てきます。 多くの不動産(投資用マンションやアパート等)を所有する大家さんたちというのは、いわば不動産を扱う”セミプロ”とも言うべき人たちなわけですが、そんな人たちがなぜわざわざ不動産業者の世話になる必要が出て来るのかと言えば、それは不動産の”取引”、つまり”売買”に関連する部分において不動産業者がいてくれた方が助かる部分が大きいからなのです。 これは大きく「情報収集」と「諸手続き」という2つの要素に分けられます。 1つ目は、やはりいくら自力で不動産賃貸を行っているとはいっても、本業として不動産業を営む業者の方が、不動産に関連した様々な情報がリアルタイムで集まってくるという部分は否めず、不動産業者でない街の大家さんたちにとってもそうした情報は投資案件の検討対象として非常にありがたいものであるということです。 そして2つ目が、いざ実際に不動産の売買を行うということになれば、それこそ様々な手続きが必要となりますので、そういったことを不動産業者に代行してもらうことでスムーズな取引を実現するため、という理由です。 もちろん全て自力でされるような”強者”の一般大家さんも中にはおられますが、やはりこうしたセミプロに近い大家さんたちでさえ、その存在価値を認め、頼らざるを得ないのが不動産業者、すなわち不動産の”プロ”の人たちということなんですね。 こうした事実からも、不動産取引(売買)においては、その情報力やスムーズな手続きを目指す上で不動産業者の存在意義は大きいものであるということが解っていただけるのではないかと思います。 【参考】 NO233
不動産売却における不動産業者の”役割”とは
さて、不動産業者というものが、(今回不動産を売却しようとしている)あなたにとって”必要なもの”であるという認識を持っていただいた所で、今度はその”役割”について考えてみることにしましょう。
不動産を売却する際の不動産業者というのは、具体的にどういった形であなたの役に立ってくれるものなのでしょうか。
ここであなたに1つ質問です。
あなたは「不動産屋さん(=不動産業者)」と聞いて、まずどんなイメージが頭に思い浮かびますか?
『なんか怖そう。ややこしそう。胡散臭そう。騙されそう。お金持ちそう。』
昭和から平成初期の頃の時代背景から思い浮かぶいわゆる”不動産屋さん”のイメージは、このような少しネガティブな感覚が先行したものという場合も少なくないかもしれません。
しかしその一方で、平成も終わり、令和の時代を迎えた最近の印象はと言えば、
『有名タレントやかわいいキャラクターのCMで知っている。』『駅前や商店街で物件情報をいっぱい貼った綺麗なお店を見かけたことがある。』『ポップな看板をよく見かけるし、賃貸の契約でお世話になったことがある。』
若年層を中心にこうしたイメージの方が強くなり、以前とはその印象が180度異なっていると言っても良いぐらい、非常に身近に感じている人たちが増えてきています。
そんな「不動産業者」ですが、ここから先は、(良きにつけ悪しきにつけ)そういった勝手に抱いていたイメージというのは一旦忘れてしまってください。
ここからは、現時点であなたの頭の中にある不動産業者に対するイメージを一旦全て消し去り、何もない真っ新な状態から、1つの側面・見方にのみフォーカスして不動産業者というものを見ていって欲しいのです。
その”見方”というのは、今回不動産の売却を成功させたいあなたにとって「不動産業者」に”期待すべき役割”とも言うべきもの、ズバリ、
『あなたの分身・代理人として不動産売却を成功へと導いてくれる”プロ集団”であるかどうか』
というものです。
これから不動産業者を見る、不動産業者に接する機会が出て来た時には、常にこの感覚を持っておくようにしてください。
今回の記事の目的は、この「あなたの分身・代理人として不動産売却を成功へと導いてくれるプロ集団」たる不動産業者をどのようにして見つけ出し、そして見極めていくのかということを知る、ということです。
したがって、不動産業者に対してネガティブなイメージを抱いていた方も、別に悪いイメージはないという方も、とにかくこの1点を徹底的に追求し、そのために必要な要素とは何なのかという視点を常に持ち続けながら、この先を読み進めてもらいたいと思います。
なぜそのような見方をしていく必要があるのかと言えば、それがあなたの不動産売却を成功へと導くための最短ルートであり、最も確実な方法だからです。
これから先、あなたが売却手続きを進めていく中においては、「どうしても不動産のプロに頼らざるを得ない状況」というのが何度も訪れることになります。
そんな時その”プロ”が、あなたにとって、良き相談相手であり、あなた自身の分身でもあり、難しい交渉をまとめ上げてくれる心強い味方となってくれなければ困るわけです。
門外漢の素人にとっては少しとっつきにくく、何かややこしそうな不動産業界という世界へ飛び込んだ時、あなたが不安を抱え続けることなく、自信をもっていくつかの重大な決断を下し、安心して、スムーズに手続きを進めていけるようにするために正しい方向へと手を引っ張って行ってくれる「頼りがいのある存在」、それこそが今あなたが追求すべき不動産業者の役割、存在意義なのです。
【完全版】不動産業者の『見極め方』
ここまでのお話で「やはり不動産業者の仲介は必要である」ということ、そして「期待すべき役割とはどういったものなのか」ということについて、実感を持っていただけましたでしょうか。
それではいよいよここからは、その『不動産業者の見極め方』についてお話していきたいと思います。
不動産業者のどんな所を見て、どのような点について確認しておくことで、あなたの最良のパートナーとなる不動産業者を見つけ出すことができるのか、1つずつ確認していくことにしましょう。
『不動産売却の”成功”』を定義する
まず始めに、不動産業者の見極め方について知る前に、1つ非常に大切なポイントについて確認をしておかなければなりません。
それは、そもそも「不動産売却を”成功”させる。」とは一体どういうことなのか、ということです。
これから先、あなたが一体どういう形での売却を実現することができれば、その売却を”成功”と呼ぶことができるのでしょうか。
それを知るためには、一度原点に立ち返る必要が出てきます。
不動産を売却しようとする時、多くの人がまず初めに気になる事はと言えばどんな事でしょう。
- 「できるだけ高く売りたい。」
- 「ややこしくて面倒な手続きは専門家にやってもらいたい。」
- 「名義変更や税務処理などは適切に処理を完了しておかないと。」
概ねこういった項目ではないでしょうか。(相続に絡む不動産の売却に関しては、さらに様々な懸念事項等が出て来るかと思いますが、そちらについて詳しくは、 NO25 )
これは一見、単に売主側、つまりあなたのような人たちがまず思いつくこと、という風に見て取ることもできるのですが、実はこれがそのまま売却完了後の満足度に直結してくる要素となってきます。
つまり、こうした「不動産売却を検討し始めた頃に抱く、初期段階での率直な不安要素、懸念事項というものが、全てしっかりと満たされた形での売却を実現させる。」ことができれば、その売却は”成功”だったと言える、ということになるのです。
改めてここでのポイントを整理しておきましょう。
売却後に「成功した。」と言える不動産売却というのは、突き詰めていくと、「2つの条件」を満たしたものと言うことができます。その2つの条件とは、
- 納得のいく売却価格
- 適正な手続き・処理
この2点です。
大きくこの2点について、売却完了後に「満足のいく結果だった。」「安心できた。」とあなたが感じることができれば、その売却は「成功」と呼べるわけです。
不動産価格の決定要素
「売却の”成功”とはどういう状態のことを言うのか」ということに加えて、もう一つ、不動産業者の見極めポイントを知る前に、あらかじめ知っておいてもらいたいポイントがあります。
それが、「不動産価格というのは、どのようにして決まっていくものなのか」ということです。
この点について詳しくは、 NO130 で解説していますので、詳細な部分についてはそちらをご覧いただければと思いますが、ここでは簡単に今知っておくべきポイントだけに絞ってご紹介をしておきたいと思います。
実は、1つの不動産の最終的な売却価格を決定するためのベースとなる査定価格というものは、ある程度機械的に求めることができ、基本的にはある一定の価格レンジに収まります。
これは不動産価格の算定方法が、公的な基準価格やその面積、築年数といった基礎的な算出根拠から、個別の物件の状態に関する条件にいたるまで、「ココがこういう状態であればプラス査定。ココがこうだからマイナス査定。」という形で、ある程度見積もりの仕方が確立されているためです。
つまり、基本的にはどんな査定業者に不動産価格の査定を依頼したところで、本来ならばほぼ同じレンジでの査定価格を提示されることになるはずなのです。
では、査定業者によってその査定価格に差が生まれてくるのはなぜなのかというと、それは、その時点での『需給関係』というものが大きく影響を及ぼしてくるからです。
需給関係とは、解り易く言えば、「売り手と買い手のバランス」のことで、買い手が多いほど価格は上昇しますし、買手がほとんど見つからない状態であれば価格は下落していきます。これは不動産に限らず、世の中に売られている価格競争のあるもの全てにおいて言えることです。
ただ、不動産市場が特殊なのは、例えば同じ土地に建つ同じ条件の建物2棟が、一方が3,000万円で、もう一方が1億円という価格が付けらるということが起こり得る、ということです。
仮に、同じ場所に同じような建物がいくつも建てられていて、ほとんどの物件に約3,000万円程度の価格がついているにもかかわらず、1軒だけ1億円の値段がつけられていたりすれば、当然そこには何か理由があるはずです。
実は、この”価格差”の部分にこそ、不動産業者の実力の差が隠されているのです。(ここでは話を解り易くするために価格差を3,000万円と1億円と極端にしていますが、あくまで不動産業者の力の差によって価格差が生じるというポイントに注目してください。)
まとめると、「不動産価格」というのは、
- 基礎的な価値算定基準を用いることで、ある程度機械的に算出することが可能
- しかしその価格を上下に変動させ、最終的に決定づけるのは「需給関係」
- その需給関係のうち、需要部分を膨らませることができれば不動産価値は上がる
- この「需要を膨らませることができるかどうか」が不動産業者の実力
ということになるわけです。
不動産業者を見極めるための【4要素】
さて、「不動産売却の”成功”についての定義」と「不動産価格に与える不動産業者の実力の差」ということについて知っていただいたところで、ここからが具体的な「不動産業者の見極め方」についてのお話になります。
一体どんな不動産業者であれば、「納得のいく売却価格」と「適正な処理・手続き」という条件を満たした形での売却というものを実現してくれるのでしょうか。
それを知るためには、不動産業者の善し悪しを判断するための基準として、その能力を大きく4つの要素に分けて考えます。その4要素というのが、
- リサーチ力
- 広告宣伝力
- 営業力(交渉力)
- 経験値・ホスピタリティ
以上の4要素です。
この4つの能力を高い次元で兼ね備えた不動産業者こそ、あなたが理想のパートナーとして選出すべき不動産業者ということになります。
上3つが「1、納得のいく売却価格」実現のために必要となる要素、そして最後の1つが「2、適正な手続き・処理」のために必要な要素だと考えておいてください。
それぞれ詳しく確認していきましょう。
【1】リサーチ力
まず1つ目が「リサーチ力」です。
”リサーチ”とは、”調査する”という意味ですが、これは「納得のいく売却価格」を実現するために、何を調査する能力ということになるのでしょうか。
優秀な不動産業者というのは、その高いリサーチ力を駆使し、
- そもそもの正確な査定価格はいくらか
- 実際どの程度の需要が見込まれるのか
- 潜在顧客がどの程度確保できるのか
- 自分たちでどの程度新たな需要を掘り起こせるか
こういった部分についてリサーチし、適切な販売戦略を構築するための仮説を立てられる能力を持っています。
これらを端的に表現すると、
- 正確な査定価格を導き出すための市場・実地調査
- 実勢価格よりも高い価格での売却を実現するための需要動向調査
この2つができる能力と言い換えることができるでしょう。
まず、1つ目の「正確な査定価格」ということについてですが、これは前述の通り、ある程度機械的に算出していくことが可能になるものなのですが、注意が必要なのは、実際にはこの「正確な査定価格」すら導き出すことができない不動産業者というのも少なからず存在するということです。
もしもあなたが依頼した不動産業者が、全てのベースとなるこの当初の査定価格を見誤ってしまっていたとしたら、どのような問題が生じることになるでしょうか。
当然その後の購入希望者探しや条件交渉、実際に売却に至るまで、全ての時点において間違った金額でのやり取りをしてしまうことになるだけでなく、安く見積もってしまっていた場合には、最終的にあり得ない低価格での売却という最悪の結果を招いてしまうことにもなりかねませんし、高く見積もっていたとしたら、売れるはずだったものが最適なタイミング・機会を逸してしまうことで売れなくなってしまうということも起こり得るわけです。
要は、当初の査定価格を間違った形で算出してしまうことで、売却の機会を逸してしまうだけでなく、最悪の場合、取り返しのつかない安値での売却となってしまう可能性すら発生してしまうのです。
後々になって、「本当はもっと高く売れてたんじゃない?」とか、「(高過ぎず)適正な売却価格をきちんと提示できてさえいれば、当初関心を抱いてくれていた買主候補の誰かには買ってもらえてたんじゃない?」などと気が付いたとしても、もうその時には後の祭りです。
そうなってしまわないためにも、まずは「当初の査定価格を正確に算出できる”リサーチ力”」を持った不動産業者を選ばなければなりません。
では、どのようにしてそういった能力を持った不動産業者を見極めていけば良いのか。
それにはまず、最初にいくつかの業者に査定を依頼する中で、その査定価格が実勢価格に照らしてある程度正確かどうかを見極めていく必要が出てきます。
【不動産一括査定について】
NO65
ただし、ここであなたが高度な専門知識やマーケット情報を持っている必要はありません。安心してください。
あなたは業者に査定をしてもらった後に、各業者からその査定価格に至った算出根拠についての説明を受ける際、まずはその説明の内容をよくよく聞いてみてください。
そしてその説明の中に、他の類似物件の現状の実勢価格といった情報や、そもそもどういった公的な基準値を用いたのか、また個別案件ごとの調査においてはどの程度細かな部分まで目を通した上で査定額に反映しているかといった部分について確認を取ってみてください。
あなたが確認すべきポイントをまとめておきましょう。
- 公的な基準値の現況について(「公示地価」等)
- 類似物件の最近の市況について(「実勢価格」)
- 当該物件の個別事象について(その物件自体に関するプラス・マイナス査定要因)
こうした点について納得のいく説明があるかどうか確認するのです。
この時のポイントは、査定価格の根拠を示している間(あなたが最初に説明を受けている間)は口を挟まずに、とにかく一旦は相手からの説明を全て聞き切ってしまうということです。
全ての説明を聞き終えた後で、もしも上記の様な点について説明が含まれていない箇所があれば、自分の言葉で構いませんのでその場で質問をしてください。
その時、実際には調べていたけれども説明の中に含まれていなかっただけなのか、調べていない(もしくは解らない)にも関わらず、何か言い訳や他の要素を持ち出してあやふやな形で回答をしてくるのか、不動産業者の態度を見極めるようにしましょう。
そうすることで、あなた自身に特段専門的な知識がなくとも、その不動産業者の当初査定価格を正確に算出するための「リサーチ力」について判断することが可能です。
要は、あなたが専門的な内容が解らない状態で、素直に上記の項目のうち抜けていた部分について質問をし、自分が解り易い、納得のいく説明をちゃんとしてくれるかどうかという点について判断をすれば良いのです。
そしてさらに、「リサーチ力」を要する調査2つ目の「需要動向調査」についてですが、これは言い換えると、その業者が現在のその物件に対する潜在的な需要動向、そしてその先にある(不動産業者自身が)自分で掘り起こして来れる需要についての調査、ということになります。(この需要動向調査は、次章の「広告宣伝力」の部分にも関わってくる話で、詳しくは後述します。)
先にお話した、不動産の価格を正確に査定できるリサーチ力があったとして、実際に売却を成し得るためには、潜在的な買い手候補をできるだけ多く連れて来れるのが理想です。
この”潜在顧客”をどれだけ正確に読めるかどうかということが、2つ目のリサーチ力である「需要動向調査」なのです。
その物件・地域にはどういった特性があり、今後どのような発展の仕方が見込まれ、行政にはどのようなサービスがあって、そうした総合力からはどのような層がターゲット層として潜在顧客になり得るのかといった試算・販売戦略の構築が出来なければいけません。
これについても、査定の際に相手側(不動産業者側)から特段説明がない場合には、こちらから聞いてみるようにしてください。
これもあなたが難しく考えてしまう必要はありません。あなた自身の言葉で、「それで、販売方針に関してはどのように考えていますか?」とか、「どんな人へ向けて売り出していくのが良いですかね?」と直接訪ねてみれば良いのです。
そこでまた、これからの販売に関するしっかりとした戦略なりビジョンがあり、あなたに解り易い様な形でそれを説明することができれば、その業者は需要動向に関する「リサーチ力がある」と判断できるというわけです。
逆に言えば、あなたが多くの査定業者・不動産業者に査定を依頼する売却手続きの初期の段階において、こうした各種リサーチに基づいた査定価格を提示し、あなたが納得のいく解り易い説明をした上で、潜在顧客の見込み等について戦略を示してくれるような不動産業者であれば、ここでの見極めポイントである「リサーチ力」については、クリアと考えて良いかと思います。
ただ、多く場合は最初からそこまで完璧な対応はできないかとは思われますので、あなたの中での判断基準(見極めポイント)としては、ここでお伝えしたような内容についどこまで点数を積み上げていけるかという、いわば”加点方式”で各業者について判断していけば良いかと思います。
「最初の説明は少し足りない部分もあったけど、販売戦略は非常に具体的で頼もしいな。」とか、「査定内容については非常に細かくて説得力のある売却価格を出してくれたみたいだけど、販売戦略にいまいち迫力が欠けるな。」といった具合に判断していけば良いかと思います。
【2】広告宣伝力
続いて2つ目の見極めポイントは、「広告宣伝力」です。
これは売り手側の「高く売りたい。」という想い、そして最終的な「納得のいく売却価格」を実現するための、いわば「”入口”へと買い手を引き込んでくる能力」と言っても良いかと思います。
今仮に、あなたの物件が市場の情勢や物件自体の状態、立地や周辺状況等から見て、その全てにおいて、その地域で不動産を探している人にとって誰が見ても欲しいと思う様な条件を兼ね備えた”完璧なもの”であったとしましょう。
しかし肝心の買手候補者側が、その物件の存在を知ることが出来なければどうでしょう。買手候補者たちは、自分たちが理想とするそうした魅力的な物件に気がつくことすらできないということになってしまいます。
つまり、いくら物件自体の魅力度が高いものであったとしても、精度の高い広告宣伝を実施することによって、適切な潜在顧客に対して、目いっぱいその魅力をアピールするような形でその物件情報を届けることが出来なければ、売却が実現することは永遠にないのです。
したがって、そうした効果的なアピールができる能力を持ち併せているかどうかということが、この「広告宣伝力」を見極めるという意味になってきます。
もしもあなたが、自分自身の手で買い手を探さなければならない状況になったことを想像してみてください。
あなたは、どのような手段で、どのような形で、どのような人たちに向けて、何をアピールしていきますか?
実際には、これに対する正解というのはありません。
どのような広告宣伝活動を実施しようとも自由です。
厳密に言えば、宅地建物取引業法において、不動産の広告宣伝活動における禁止事項というものは規定されていますので、虚偽の広告などは当然のことながら、誇大広告などについても厳しく制限がされていて、何もかも自由ということではありませんが、そのルールに則ってさえいれば後のやり方は”自由”なのです。
あなたも一度は自宅のポストや新聞広告の中に、不動産のチラシが入っているのを目にしたことがあるかと思います。
それらのチラシというのは、モノクロの簡単なものから、ちょっとした冊子のようになった、たくさんの写真や情報で綺麗にデザインされたものまで非常に様々なものがあるでしょう。
そういったチラシのクオリティの部分については、あくまでチラシ上での各社のデザイン力の差、つまり表面上の力を見ているに過ぎません。
消費者心理としては、解り難いチラシよりは解り易いものを、簡素なデザインのものよりは綺麗に仕上げられたデザインのものを、聞いたことの無い業者よりは聞き覚えのある業者の方が魅力的に感じられるというのも気持ちは解ります。
しかし、ここで言う『広告宣伝力』について考える時、その不動産の売手にとって本当に大切なことというのは、実はそういった表面上の部分ではなく、勝負はもっと前の段階でついてしまっているのです。
ここが前章の「リサーチ力」でも少し触れた部分になりますが、要は、広告宣伝活動を行うにあたって最も大切なことというのは、キレイなチラシを作れるかどうかではなく(当然そこも大切な要素の一部ではありませすが)、最も良い条件(高い購入価格)を提示してくれそうな買手候補者のいる地域、コミュニティ(もちろん特定の買い手候補にピンポイントでも構いません。)にその物件情報を的確に届けることができるかどうかということなのです。
あなたの売ろうとしている物件をどうしても欲しいと思う人が増えれば増えるほど、そこに買手同士の”競争原理”が働くことによって、購入希望価格というのは上がっていくことになるというのは、既にお話した通りです。
もうお解りいただけたでしょうか。
優秀な不動産業者というのは、その「リサーチ力」によって、その売り物件には”どこの”、”誰が”、最も魅力を感じてくれるだろうかということを割り出して的確な販売戦略を立てることができると同時に、そうして潜在需要を掘り起こした買手候補者に対して、効果的なアプローチをすることができる”広告宣伝力”を持っているのです。
そしてさらに、このような”効果的な”広告宣伝活動と併せて、もう一つ重要なポイントとして、”効率的な”広告宣伝活動という側面も見逃すことはできません。
これは不動産業者側の事情という捉え方もできる部分ではあるのですが、不動産業者というのは、宅地建物取引業法により、受け取ることができる手数料率というものが国から決められています。
【不動産売買の媒介に係る不動産業者の手数料率の上限】
- 代金額200万円以下:5%
- 代金額200万円超400万円以下:4%+2万円
- 代金額400万円超:3%+6万円
したがって、不動産業者自身が企画した販売戦略に則った販売活動にかかるコストというのは、全てこの手数料の内から出されることになるわけです。
さらに言えば、たくさんのコストを掛けて様々な広告宣伝活動や営業活動を行ったとしても、実際に売却が実現しないという結果になってしまえば、彼ら不動産業者にとっては大きな赤字となってしまいます。
つまり、売手(あなた)自身が自ら「別途資金を用意するから、こういった宣伝を展開して欲しい。」というような申し出をしない限り、彼ら不動産業者が行う広告宣伝活動にかかるコストというのは彼ら自身が負担する必要があるわけです。
そして当然のことながら、彼ら不動産業者からすると、1円でも多くの利益を確保したいという思いを持っていますので、この”効率性”という部分が非常に重要となってくるのです。
まとめると、「より少ない予算・コストで、より確実性の高い潜在顧客に確実にアピールすることができる不動産業者」こそが、ここで言う「広告宣伝力」が高い業者ということになるわけですね。
ではそれをどのようにして見極めていくのかというと、これも非常にシンプルです。
先程の様に、査定をしてくれた各業者に対して「広告宣伝(および販売戦略)はどのような形で展開することを考えていますか。」と質問してみてください。
その際に確認すべきポイントは4つです。
- 技術:チラシやネット上でのデザイン・クオリティはどのレベルか
- 対象者:どういった人たちをターゲットとするのか
- 手段:どのような方法で宣伝活動を展開するのか
- 範囲:どういった所へ向けてアピールしていくのか
こういった部分について、どれだけ具体的に、そして訴求力の高い形で広告宣伝ができそうかということを確認し、その説得力の高さによって見極めていくのです。
「これから広告宣伝活動を展開していくので具体的にはお示しはできませんが。」と言われれば、過去の案件でどのような形で活動を行ったのかについて見せてもらってみても良いでしょう。
もちろん、他人の個人情報等に関する部分については確認することはできませんが、一般論として、どういった不動産サイトに掲載予定であるとか、どんなデザインにする予定であるとか、どの辺の地域を対象に広告を展開する予定なのかとか、どういった所に潜在ニーズがあると考えているのかというような、”考え方”の部分については少なくとも聞くことができるはずですので、具体的に話を聞いてみるようにしてください。
「あなたの代理人として今回の不動産売却を担当させていただくということになれば、こういう形でこういった人たちへ向けてこのような広告宣伝活動を展開していきますよ。」といった説明内容に最も説得力があり、過去の案件でも実際にそういった方法で多くの売却を実現させている、といった業者を見つけることができれば、「広告宣伝力」の面においては、あなたのパートナーとして非常に理想的な業者と言えるでしょう。
ちょっとブレイク
『需要の喚起』:潜在顧客を”創り出す”
今、「広告宣伝力」と、前段の「リサーチ力」のお話の中で、潜在需要を創り出す力があるかどうかということが大切だとお話させていただきました。これは不動産取引の中でも、特に新築マンションや建売の戸建販売などの場合に多く使われる伝統的な手法ではあるのですが、需要を喚起する、つまり創り出すという上で解り易い事例を一つご紹介しておきます。
あなたは、新築のマンションや戸建て住宅の建売などで、「完売御礼」と謳っているのを見かけたことはありませんか。
でもこのマンション販売等における”完売”というのは、”出来上がった物件全て、あるいは部屋が全て売れた”ということを意味しているわけではありません。
ここでの”完売”とは、出来上がった物件、部屋のうち、”その時売出した分については完売しました”ということを言っているのです。
新築不動産というのは、通常何度かに分けた形で募集がかけられます。
つまり、不動産業者側としては、「売出しを開始してからこの物件は本当に人気で皆さんに良く買っていただいてますので、欲しい人は急いでくださいね。」ということを”煽る”ことで、いわば需要を創り出しているのです。
そうすることで、「何となく魅力的に感じてたけど、そんなに人気があるのなら良い物件なんだろうから、一度見に行ってみようか。」と思わせて潜在顧客にモデルルームなどに脚を運ばせたり、「買おうか買わまいか、どうしようかな。」と悩んでいるような人たちの、”あと一歩”の部分で背中を押す効果が出て来るのです。
あなたの売ろうとしている不動産の販売戦略においては、直接こうした手法が通用するわけではありませんが、潜在顧客の需要を喚起するという意味においては、様々な広告宣伝・販売・営業活動の中でこうしたテクニックが使われているのです。
そして、そのようなテクニックをたくさん知っていて、様々な形で駆使してくれる不動産業者にパートナーになってもらうことができれば、あなたの不動産についても良い条件での売却を実現してくれる可能性は飛躍的に高まるでしょう。
【3】営業力(交渉力)
「納得のいく売却価格」を実現するために不動産業者に求めるべき能力として最後の1つが、「営業・交渉力」です。
これはまさに文字通りではありますが、”営業”そして”交渉”の局面において、どれだけ売主であるあなたに有利な形での売却を実現できるのかという能力になってきます。
前段までの「リサーチ活動」そして「広告宣伝活動」によって、的確なリサーチから需要を掘り起こし、潜在顧客を見つけ出した後、最終的にその候補者たちが「買うのか、買わないのか」という決断をする、いわば”クロージング”の部分において、この営業力および交渉力をどのぐらい発揮できるのかということが、その取引を成立させられるかの最大の勝負の分かれ目となってくるわけです。
言うまでもなく、不動産の購入というのは購入者側にとっては、一部の超富裕層や法人といった属性の人たちを除いては、非常に大きな買い物になるものです。
そんな購入者側にとってはどこで二の足を踏んでしまうかもわからないような最終的なクロージングの段階においても、あなたの希望する形での売却を前提にして、しっかりと”売り切って”くれる力(営業力・交渉力)のある不動産業者であれば、非常に頼もしいパートナーと言えますよね。
ただ、クロージングをしっかりとやり遂げてくれるという頼もしさの中には、その際の交渉を円滑に進めるという意味での”調整力”という部分も非常に大切になってきます。
通常、不動産取引の場における買手というのは、売主側と同じように、仲介業者となる不動産業者がついている場合がほとんどです。
不動産を売りたいと不動産業者を探したあなたと同じく、買いたいと思っている人も情報収集や手続き面での不安等から、やはり業者を頼らざるを得ない部分が大きいわけですね。
これは普段日常的に行われている様々なモノの売買、そして金融取引や会社間のやりとりなど、様々な交渉ごとの場面においても言えることなのですが、各取引の当事者同士、つまり売手と買手が直接やり取りをしてしまうと、一度でもどこかでボタンの掛け違えなどによって衝突が発生してしまった時に、途端に後戻りができない状況に陥り、一気に「破断」へと進んでしまうということが起こり得ます。
対象となる取引の金額が大きかったり、当事者のどちらか一方がそのモノに対する思い入れが非常に強い場合などに特に起こりやすい事象ではあるのですが、ここでは具体的に不動産取引で考えてみましょう。
例えば、不動産を売買する際、直接の「相対取引」での成立を目指し、交渉の途中で価格面でどうしても折り合いがつかなかったとします。
するとこの場合、文字通り直接やり取りをしているわけですので、どちらも譲らないということになれば、その瞬間から交渉そして手続き面においても全てがストップしてしまうという状態に陥ります。
一方こうした事態が発生した場合でも、仲介業者が間に入っていたとするとどうでしょうか。
交渉の条件面においては、売手と買手どちらかに妥協点を見い出してあげることで間を取り持ったり、一方を説得することで話をまとめられる可能性も出てきます。さらには、膠着状態が多少長引くようなことがあったとしても、必要となる手続きを同時並行である程度進めておくことで、もしも一歩進むことができた時でもスムーズに取引完了まで軌道修正することができる体制を整えておくことも可能になります。
また、直接のやり取りでは、一方の思い入れの強さが出てしまったり、何かのきっかけで対立してしまった際に、感情的になってしまうことで相手を不用意にネガティブな方向へと導いてしまうといったことも考えられるのですが、お互いに代理人である不動産業者が介入していた場合には、あくまで代理人は契約の成立を目指す立場であるために、感情的になったりすることもありません。不動産業者間においては、どうにか落としどころを見つけようと努力することになるわけです。
もちろん不動産業者間でのビジネス上の駆け引きといったことはあるかもしれませんが、前段でご紹介したように、他業界に比べると法規制によってその営業手段や手数料率等が縛られているこの業界では、売手と買手の交渉の段階に及んでまでそれほどあからさまにシビアで激しいバトルが繰り広げられることもありません。
不動産業者間のバトルという意味で敢えて挙げるとするならば、それは売手および買手の代理人になれるかどうかの段階、つまり不動産業者の”選定”の段階で発生する競争というのは十分に考えられます。
彼ら不動産業者にとって、結果的に代理人になることができてしまえば、あとはここでご紹介しているような能力を駆使して売買を成立させ、法に則った料率で手数料等を受け取ることが最優先となるのです。
したがって、代理人の座を確保できた後は、不動産業者はまず何よりも売買の成立を目指すというインセンティブが働くことになりますので、どうにかうまく交渉をまとめ上げようと知恵を絞ることに集中することができるわけです。(感情的になっても彼ら不動産業者にとってはマイナスしかないということです。)
以上のような背景から、営業そして交渉の面において不動産業者がどれだけの力を有しているかということが、しっかりとクロージングの段階をやり切れるかどうかに大きな影響を及ぼすということがお解りいただけたでしょうか。
では、その営業・交渉力の見極め方ですが、これは前段の「リサーチ力」と「広告宣伝力」と比較しても非常に難しいものになってきます。
実はこの不動産業者の営業力・交渉力というものは、裏を返せば、あなたの代理人になろうとする時点において、あなたに対して発揮される能力と言うこともできるものなのです。
つまり、まだ売手(この場合あなた)の代理人の座を射止めているわけではない段階においては、不動産業者は自分の持つ営業力・交渉力をあなたに向けて全力で発揮してくることになるわけです。
先ほど説明しましたように、彼ら不動産業者にとっては、代理人になるということが非常に大きな営業の成果となりますので、あなたへのアプローチという部分でも非常に積極的な動きをしてくるでしょう。
したがって、そこを「敢えて利用することで見極める」というのが、ここでのポイントになってきます。
つまり、あなたが様々な業者に不動産の査定を依頼する中で、あなたと各不動産業者とのやり取りを第三者の目線で俯瞰してみるのです。
不動産業者があなたに対してかけてくるアプローチ、営業行為を、あなた自身が”客観的に”評価するということですね。
これは口で言うのは簡単ですが、いざやるとなるとそう簡単なものではありません。
ただ、簡単な事ではありませんが、色々と不動産業者の説明や話を聞きつつも、「交渉の持って行き方がうまいな。」とか「説明・解説が的確で非常に解り易いな。」、「非常に熱心に営業してくるけど、嫌な印象は受けないから、相手の懐に入っていくのがうまいのかな。」というように、その営業及び交渉の”姿勢”について、どの程度の営業力や交渉力を持ち併せているかということをあなたが判断できれば理想的と言えるでしょう。
その不動産業者が持つ雰囲気や営業スタイル、交渉術などは、一朝一夕で出て来るものではありません。
やはりその会社のカラーやその営業担当者の特性といったものはある程度決まっているものですし、実際にあなたの不動産売却において買手側との交渉や営業といった局面に入って来た時には、それが相手に対して向けられるものになるわけです。
しかし、やはり「”交渉力”や”営業力”を見極めろ」というのは、自分自身に豊富な営業経験があったり、多くの営業を受けるような立場に普段からいるような人でなければ難しいというのも現実でしょう。
そこで、「営業力を見極めるなんて私には絶対に無理。」という方のために、最もシンプルな方法を最後にご紹介しておきたいと思います。
それは、「あなた自身が、その人(その不動産業者)から何か物を買おうと思えるかどうか、という判断基準で考えてみる」ということです。
あなたのパートナーとなる不動産業者(および担当者)というのは、必然的に、その物件の買手(および買手の代理人の不動産業者)に対しては、売手としてあなたの代わりに売り込みをかける立場の人ということになります。
ということは、その売り込みを掛けられる相手(買手候補者たち)というのは、その営業を掛けて来た人のアピール内容や言動・態度や振る舞いから、その物件を買おうかどうかを判断するわけです。
したがって、当然のことながら、まず大前提としては「その物件自体の魅力度」というものが購入者側の購入意志を決定づける大部分を占めることにはなるわけですが、少なくともその買手に迷いが生じた時に、この買手からなら買っても良いかな、信用してもよさそうだなと思うことができれば、その不動産業者はある意味で営業力があるとみることもできるわけです。
「でも、買手候補者たちが自分(あなた)と同じタイプの人たちばかりとは限らないし。」
そう言いたい気持ちも解らなくはないですが、営業力・交渉力について客観的には判断が付かないということになれば、やはりあとは主観的にどうかと判断するより他に術はないのです。
ここは自分の感性に訴えて、その不動産業者(担当者)が相手に「購入したい。」と思わせることができる業者(人間)かどうかという見方で判断をしていくようにしましょう。
【4】経験値とホスピタリティ
ここまで、あなたが「納得のいく売却価格」を実現するために不動産業者に求めたい能力について、3つご紹介するとともに、その能力を持ち併せているかどうかについてあなたが見極める際の方法についてお話してきました。
そして最後に、「適正な手続き・処理」をしてもらうために、あなたのパートナーとなるべき不動産業者に持っていて欲しい能力、「経験値とホスピタリティ」という部分についてご紹介したいと思います。
前述の様に、不動産売却を成功と呼べる形で終えるためには、金額面や条件面において納得のいく形を実現するのはもちろんのこと、権利関係の移動や各種申請等の手続き、そして税務処理にいたるまで完璧に対応しておくということが必要不可欠です。
前段の売却価格の部分で多少不満の残ることがあったとしても、それはあなた自身が最終的に諦めればそれで済んでしまいますが(そうならないために今回長々と不動産業者の見極め方について紹介しているわけですが)、この各種申請関係の処理については、もしも適正な処理がされていなければ後々になって大きな問題となってきます。
特に権利関係の移動と税務処理の面においては、非常に慎重にそして正確に対応をしておかなければ、最悪の場合、訴訟や罪に問われる可能性すら出て来ることになってしまいます。
したがって、「適正な手続き・処理」という部分については、ミスを犯すことなく対応してくれる不動産業者を選択するということが絶対不可欠であり、そのために必要な要素が「経験値とホスピタリティ」ということになります。
まず、「経験値」についてですが、これは売却の手続きにおいて、もし何か不測の事態が起きたり、買い手側との交渉においてイレギュラーな場面に出くわした際に、過去の不動産取引の経験が豊富であれば適正に処理を行うことで改めて軌道修正し、引き続きスムーズな売却手続きを可能にしてくれるということです。
不動産というのは、個別物件ごとに実に様々な条件の違いや特徴といったものを抱えています。
そしてさらに、売買を行う当事者、売手も買手もですが、双方の求めるものも取引ごとに様々な事情があり千差万別です。
当然、不動産取引そのもののについての流れという意味では、ある程度の”定型的な形”としてのやり取りが存在してはいるものの、そのような物件や各取引ごとの特殊事情等によって、不測の事態が発生したり、難しい問題が発生するということが往々にしてあるということも事実です。
そんな時、不動産取引について非常に経験豊富な業者であれば、ある程度の”変化”や”特殊要因”についても、臨機応変に様々な対応策を検討することができるでしょうし、過去に類似案件を取り扱ったことがあるという可能性も出てきますので、やはり安心感は大きいと言っても良いでしょう。
ただ、勘違いしてはいけないのは、これは「その不動産業者の歴史が長い=豊富な経験があった頼もしい業者」という構図にはならないということです。
事業を営んできた営業実績が少ない(期間が短い)不動産業者であっても、その会社の創業者が非常に豊富な経験や知識を持った状態で始めているという場合も考えられるわけですし、短期間で目覚ましい実績をいくつも積み上げている不動産業者だって存在します。またその一方で、年季の入った事務所で、何十年にもわたって営業しているにも関わらず、メインとして行っていることは自社の賃貸物件の管理がほとんどといった状態で、売買に関する知見や豊富な経験は持ち併せていないという業者だっていくらでもいるわけです。
したがって、単純に「すごく昔から事業をされているんだから信用して良さそう。」といった考え方はしないように気を付けておく必要があるわけです。
ちょっとブレイク
不動産業者の「営業実績」と「信用度」
あなたがパートナー候補として不動産業者を選ぶ時、「この不動産屋さんはどのくらい長く業界で仕事をしてきたのだろう。」とその業者の歴史について知りたくなった場合に、最も手っ取り早く知る方法があるのをご存知でしょうか?
もちろん担当者に聞くということでも良いのですが、営業社員がコロコロ変わっている場合などもありますので、一番解り易いのは、その不動産業者の『免許証番号』を確認することです。
不動産屋さんの事務所に行くと、壁のどこかに「免許証」や「取引業者票」といった形で掲示されたものが見つかるはずです。(不動産業者、法的には「宅地建物取引業者」はこうした免許証に関する内容等を掲示する”義務”がありますので、必ずどこかにあるはずです。)
そしてその中の「免許証番号」の欄には、「各都道府県知事」または「国土交通大臣」という表記があり、そのすぐ後ろに『()』カッコ書きで数字が書かれているかと思います。
これは、その不動産業者が「免許証を更新した回数」を表しています。
「不動産業者(=宅地建物取引業者)」というのは、不動産業(宅地建物取引業)を営むにあたっては、国及び地方自治体へ届出・登録を行い、免許証を取得しなければなりません。
そしてその免許証の有効期限は『5年』と決められています。
つまり、免許証番号の欄のカッコの中の数字が(1)であればその業者は初めて登録をして事業を営んでいる期間、つまり営業期間が5年以内ということになりますし、ここが(10)となっていれば、その業者は50年を超える営業実績があるということになるわけです。
営業期間が長いからといって”優秀”な不動産屋さんとは判断できませんが、それだけの経験値があって実績が積み上がっているということは事実ですので、その周辺地域の動向に詳しいという点においては間違いはないでしょう。
ただし、営業拠点が増減したり、個人事業から法人格を得たり、行政処分を受けたりした場合などには、このカッコ内の数字が(1)に戻るということもあるため、場合によっては本当の実績よりも少ない数字となっている場合も考えられます。
したがって、この部分はあくまで参考程度として、非常に大きな数字の場合に限り「歴史のある会社ではあるんだな。」という風に考えておけば良いかと思います。
そしてさらにもう一点、「ホスピタリティ」の部分についてですが、これは言うまでもありませんがクライアントである売却者サイド(つまりあなた)に対して不安を感じさせないように、細かな報告や連絡があるとか、次のアクションについてや各箇所における手続き等について丁寧に説明してくれる、あるいは、専門的に処理すべき部分とクライアント(あなた)にしっかりと解説が必要な部分の棲み分けがうまくできていて、なんでもかんでも細かく説明するということではなく、要所要所でこちら(売主であるあなた)が押さえておくべきポイントについて適切な説明等を加えてくれる、あなたが判断を下しやすくなるようなアドバイスを適切なタイミングで提示してくれるといった心遣いができるということです。
これはある意味において仲介業者という”サービス業”をする身としては”最低レベル”の部分ではありますが、やはりこういった所の「かゆい所に手が届く」的な小さな部分というのが、全体を通しての安心感につながってくるという面も否定はできませんので、この辺は直感的に判断すれば良いかと思います。
改めて確認ですが、あなたが不動産の売却手続きを成功させる上において、最終的に最も大切な達成すべきこと、その売却を「成功」と呼べるものにするために必要な事というのは、
- 納得のいく売却価格
- 適正な処理・手続
この2つです。これらを差し置いて他にはありません。
逆に言えば、これ以外の部分は妥協しても良い部分と言ってしまうことも可能です。
これまで散々、「不動産業者の選定があなたが行う最も大切なプロセス」であると何度も繰り返してきましたが、不動産業者選びにおいて「百点満点」を追求し過ぎてしまうというのも、決めきれなくなるリスクと隣り合わせになってしまいます。
もちろん、不動産業者の選定にあたり早い段階で、全ての要素において満足度が高く満点に近いと思えるような業者に出会えれば、その時は本当に運が良かったと素直に喜んで良いと思います。
しかし、多くの場合はなかなkそうはいきません。
したがって、今回ご紹介してきたようなポイントをしっかりと自分の中で整理し、各要素について各不動産業者がどの程度力を持っているのかということを推し量りながら、「総合点」であなたの売却を成功させられそうな不動産業者をパートナーに選ぶということが大切です。
初めからうまく見極められるわけもなく、なかなかコツが掴めないと思うこともあるかと思いますが、そんな時は NO65 も参考にしながら、なるべくたくさんの不動産業者と接触を図り、何度もこの記事を読み返すことで、自分が納得できるレベルまで考え抜いて、本当に信頼できるパートナー不動産業者を選び抜くということを目指してもらいたいと思います。
急いで売却・現金化する必要があるなど、非常にひっ迫した状況下での不動産売却を目指す場合などは別として、ある程度時間があるということであれば、しつこいようですが今回ご紹介してきた不動産業者の見極めというのは非常に重要なプロセスとなりますので、慎重に判断していくようにしてください。
パートナー”候補”の『探し方』
ここで一旦、今回お話してきた内容をまとめておきたいと思います。
- 不動産取引の初心者にはやはり不動産業者の仲介があった方が安心
- 不動産業者に求める役割は『あなたの代理人として売却を成功させることができるプロ集団としての能力』
- 『納得のいく売却価格』と『適正な手続き・処理』を完全に実現できればその不動産売却は”成功”
- ある程度機械的に決まるはずの不動産価格に大きな差が生まれる理由は不動産業者の能力の差
- 不動産業者の能力を見極めるには『リサーチ力』『広告宣伝力』『営業力(交渉力)』『経験値・ホスピタリティ』に分けて判断する
以上の様な内容でしたが、いかがでしょう。不動産業者選定の必要性や不動産売却の成功の定義、そして不動産業者を見極める方法の詳細について、ある程度感覚を掴むことはできましたでしょうか。
これらの内容について何となくでもイメージが掴めて来たという方の中には、どこかで気が付く、あるいは思い浮かんだ「素朴な疑問」がある方もいらっしゃるかもしれません。
そうです。
「不動産業者を見極めるための判断基準、不動産売却を成功に導くために大切なことというのは解ったけれど、そもそもその候補となる不動産業者はどうやってピックアップすれば良いの?」
という疑問です。
今回お話してきた内容というのは、あくまでも、いくつか候補となる不動産業者があり、その中でどの不動産業者と媒介(仲介)の契約を結べば良いのか悩む、決められない、と言う時に、「こういった部分を見て決めれば良いですよ。」ということをご紹介してきたわけです。
したがいまして、すでに何社かの候補となる不動産業者に接触をした後であるとか、元々「このうちのどれかの不動産業者の中から選ぼう。」という形で候補者が決まっている方にとっては、非常にタイムリーなお話になったのではないかと思いますが、一方で、候補者なんてまだ何もピックアップしていないという方もおられるでしょう。
そこで、最後に現時点で全く候補となるような不動産業者をピックアップできていないという方のために、そもそもどうやって候補者を探せば良いのかということについてご紹介して、今回の記事の締めくくりとしたいと思います。
不動産業者を選び出すための”前提”となる、候補者探しとして考えられる手段は、次の3つに集約できるかと思います。
- 自宅や職場の近所などで街の不動産屋さんに飛び込みで相談してみる
- 自分や知り合いのつてや既に心当たりのある業者に当たってみる
- ネット(or 専門誌など)で探す
今回お勧めする方法は、やはり3つ目のインターネットの活用です。
NO65
優秀な業者、ホスピタリティの高い会社というのは、やはりクライアントの利便性にも気を配っていますので、基本的にはインターネット上の情報量が多いもしくは印象の良い会社というのは、ある程度最低限の能力は備えていると考えても差し支えないでしょう。
もちろん、ネット上の情報だけ、例えば「ホームページが綺麗で見やすい。」とか「ホームページに載っている写真の印象が良かった。」といった部分”のみ”で判断してはいけません。
そこはしっかりと今回長々と解説してきた”見極めポイント”をものさしにしつつ、各不動産業者について情報収集・査定をした上で判断していかなければなりません。
では、インターネット上のどんなサービスが良いのかと言えば、そこはもうシンプルに「一括査定サービス」を利用してしまうというのが、最も効率的で今や最もスタンダードな方法だと言えるかと思います。
不動産業者各社においても、売手がこうしたサービスを便利に使いこなして、効率的に情報収集や査定を行っていこうとしているという状況を見逃したくはないですので、こうした一括査定サービスに非常に力を割いてきているというのが現状です。
不動産取引が発生する”種”を見つけ出したい不動産業者にとって、あなたのように不動産売却の案件を抱えたクライアントがまず目にするインターネット上のサービス(一括査定サービス)に、自社の情報を露出しておく、もしくはそこにアクセスできる状態を確保しておくということが非常に重要な位置づけになってきているということです。
釣りをする時、たくさん釣り上げたいと思えば、海であれば魚群探知機を使い多くの魚がいる場所で釣る方が確率はアップするわけですし、釣り堀であればよりたくさんの魅力的な魚のいる釣り堀を選択するのはごく自然なことですよね。
近年では、どの業界でも言える事ではありますが、インターネット上で得られる情報を基に様々な行動を起こすという人がほとんどです。
そしてこの傾向は、不動産取引においても全く同じです。
不動産市場というのは、どちらかと言えば比較的高齢の方の取引が多くなりがちで、インターネットといった文化からは縁遠い人たちが一定数存在しているとはいえ、もはや時代の流れには抗えないというのが現実で、ネット上の情報にアクセスできなければ、買手としても売手としても有利な条件にはありつけないというのは間違いのないことです。
飲食店などの検索においては、もはやネット上に存在しないお店は「なくなった!?」「潰れちゃった!?」と思われてしまう様な時代です。
そんな、あらゆる業者が最も心血を注いでいるインターネット上の査定サービスというのは是非とも使いこなしていくべきものと言えるでしょう。
不動産業者も必死です。彼らも生き残りをかけて潜在的なクライアントの目に留まるよう、そしてしっかりと取引に繋げられるよう、その利便性、魅力度を日夜高める努力をしています。
したがって、不動産業者の選定にあたり、その候補者を見つける方法は以下の”2ステップ”です。
ステップ(1) まず一括査定に申込み、数多くの潜在的な業者と接触をしていく。
ステップ(2) それら多くの業者から、今回のこの記事でご紹介した「見極め方」を使って理想のパートナーとなりそうな業者を絞り込んでいく
以上です。
非常に便利な世の中になりましたが、皆が便利だと思って殺到するサービスというのは、やはりそれだけの利便性や効率性を有しているとも言えるかと思いますので、こうしたサービスを利用しながら是非パートナー選びを成功させてほしいと思います。
不動産業者の基本情報の取得方法
最後の最後に、参考までに、インターネットを活用して不動産業業者の基本情報を得る方法についてご紹介しておきたいと思います。
・基本情報については、↓コチラ↓
・行政処分の実績等、”ネガティブ情報”については、↓コチラ↓
それぞれ気になる不動産業者の「事業者名」を入力して検索をしてみてください。
まとめ
最初から順に全てお読みいただいた方、大変お疲れさまでした。そして、最後までご覧いただき本当にありがとうございました。
今回は、業者から見ればあまり掘り起こされたくない部分についてまで、必要以上にしつこくお話してきましたので、どっと疲れが溜まったのではないかと思います。
ただ、その分実りの多い、得るものが多い記事になっていると自負していますので、本文中でも言いました様に、今後この記事を必要な時には何度も読み返し、不動産業者選びに失敗するということが絶対に無いようにしていただければ、運営者としては本望です。
あなたの不動産売却が成功することを心よりお祈りしております。