不動産売却時の”税金”、そして税引き後の”手取り額”を知るためには、一体どのような計算をすれば良いのでしょうか。
当サイトでは「不動産の”売却”」に特化して「初心者が気を付けるべき留意点」や「手続きの手順」、また”査定”や”売却額”といった「不動産価格の算出方法」、そして「不動産業者の選び方」といったポイントについても以下の様な記事の中でそれぞれ詳しく解説をしています。
- 初心者が気を付けるべき留意点について
「【初心者向け】不動産売却の手続きの前に知っておかなければならないこと」 - 手続きの手順について
「【不動産売却の手順】売ろうと決めてから売却代金を手にするまでの流れ」 - 査定について
「 NO65 」 - 不動産価格について
「 NO130 」 - 不動産業者の選び方について
「【保存版】『不動産業者の見極め方』失敗しない最良のパートナー探し」
これらは全て、不動産売却を成功させるためには最低限押さえておきたいポイントと言えるものになりますが、これらの項目に加えてもう1点、避けて通ることのできない非常に重要な要素というものが存在します。
そうです。それが「税金」の問題です。
ちなみに、「相続」絡みの税制等については全く内容が異なってきますので、以下の記事をご参照ください。
NO71
しかし、実は不動産”売却”にまつわる「税金」の知識というのは、その物件の売主であるあなた自身が詳しく知っている必要はありません。
その理由は2つあります。
- 自分で税務処理をするなどという事はほぼない
- そもそも税金がかからないケースが多い
これらの理由についても、詳しくは本記事の中で解説していきますが、
「不動産を売却するのなら、税金のこともよく知っておかなくちゃ。」
そう思って税制について勉強しようとしているのであれば、先に「その必要はありません。」とお伝えしておきましょう。
当サイトでは、様々な場所で口酸っぱくお伝えしているように、あなたが最も熟考し、時間を割くべき所はそこではありません。
不動産売却において、初心者が最も真剣に考えるべき問題というのは、「いかにして”理想の不動産業者”を見つけ出すのか」ということです。
NO35
では、なぜそのような売主の立場にある人たちが「税金の話」にたどり着くことになるのかと言えば、1つは「売主が皆、不動産を売却すると自動的に税金がかかってくるものと思い込んでいる。」ということ、そしてもう1つ言えるのが、「売主は皆、まず自分の『手取り額』を知りたいと考えるため。」というのが実態だからです。
つまり、実際に不動産売却の手続きを進めていく中においては、売主本人がその税制等について詳しく知っている必要は”実務的には無い”ものの、「売却前に売却後の手取り額を知っておきたい。」という気持ちから、「税制等についても把握しておかなければ。」という発想になってくるわけですね。
「【不動産の売却代金】が、そのまま【手取り額】とはならない。」という事については、多くの方がなんとなくにでもイメージを持たれているのではないかと思います。
その売却代金からは、当然売却に要した諸経費が引かれることになりますし、さらに税制上一定の条件にあてはまるということになってくれば、税金の支払い義務も発生してきます。
そうです。この”条件に当てはまれば”という部分、ここが非常に重要なポイントです。
すなわち、最終的な「手取り額」(=「手元に残る金額」)はいくらなのかということが知りたければ、まずは『どのような不動産売却のケースで税金がかかってくる事になるのか。』、そして『売却代金から手取り額にたどり着くまでには、どういったマイナス要因を想定しておく必要があるのか。』ということについて知っておかなければならないのです。
そこで今回は、この『(あなたが最終的に手にする) 手取り額』と、『(そこにたどり着くまでの) 計算方法』について、詳しく解説をしていきたいと思います。
そして、もしもその売却に「税金が発生する」ということになれば、その税額というのは非常に大きなものになってきますので、その税額を軽減するための「節税テクニック」などについてもご紹介していきます。
不動産売買というのは、ただでさえ非常に大きな金額が動く取引で、それに関連する諸費用等もそれこそバカにはなりません。
したがって、自分の手取り額を減らす要因となってしまう”マイナス要素”については確実に把握をし、少しでも多くの売却資金が手元に残るよう、しっかりと学んでいくようにしましょう。
大丈夫です。
この記事を読み終える頃には、自分の売却パターンがどういったケースにあてはまり、どういったことに気を配っておくことで手取り額を少しでも増やすことが可能になるのかということが理解できていることでしょう。
それでは早速始めていきたいと思います。
実は、「税制」について解説するというのは非常に困難な事で、解り易さを追求し過ぎるがあまりシンプル過ぎる表現を用い過ぎて、間違った形での勘違いを誘発してしまう様な事は避けなければなりませんし、全てをお伝えしなければ意気込み過ぎて、詳細の詳細にわたるまで説明を加えてしまうと、これも非常に理解が進み難くなってしまうというジレンマに陥ってしまうことになるのです。
したがって当サイトでは、税制に関する難解な考え方や計算方式等についてはなるべく言及を避け、それでいて必要な税制の知識については少なくとも本質的な部分は理解ができるよう、「ある程度の情報量で解り易く」ということを心掛けながら解説をしていきたいと思いますので、もしも今後あなたの重要な決断に税制に関する要素が絡んでくるといった場合には、「税制に詳しい身近な友人・知人」ではなく、「不動産屋さん」でもなく、必ず【税理士】に相談をし、正確な情報を取得するようにしてください。
Contents - 目次 -
【税金】について考える時の基本「注意点」
不動産売却時の税制について詳しく見ていく前に、一つ確認すべき点について触れておきたいと思います。
それは、「税務処理」の”基本のキ”とも言うべき部分です。
すなわち、不動産売却に関する税制”以前”に押さえておくべき、もう少し広い意味での税制全般から見た「”税務処理”の方法」という部分についてです。(「税務処理の基本に関しては、既に十分理解している。」という方は、次章へお進みください。)
「税務処理」とは、税金を納めるまでの一連の作業のことをザックリと表した言い方ですが、「給与所得者」、いわゆる「サラリーマン」としてしか働いたことが無いという方であれば、この”税務処理”に関して、ほとんど実感が湧かないという場合も多いのではないかと思います。
しかしその一方で、この税務処理の問題というのは、一歩間違えれば後々になって追加で多額の税金を請求されることになってしまったり、最悪の場合”脱税”で捕まってしまったりと、非常に”大ごと”になってしまいかねない非常に重要な手続きです。
したがって、税務にまつわる細かな法制度やその仕組みについてまで詳しく知っている必要はないものの、基本事項とも言える最低限の”ルール”の部分に関してだけはしっかりと押さえておかなければなりません。
では、税務処理に”肌感”を持っていない人間が、どのような事に気を付けておかなければならないのかと言うと、それは『納税という行為を、”誰が”行うのか』という事についてです。
あなたがもし「税務処理”に関してはよく解らない。」という場合でも、「確定申告」という言葉ぐらいは聞いたことがあるかと思います。そして、それがどういったものなのかというイメージぐらいは持たれているでしょう。
そもそも日本という国の場合、「日本国憲法 (第30条)」によって、国民の”三大義務”のうちの1つに「納税」ということが明確に規定されており、しかも、この「税金を納める」という行為を、納める側(納税者)が自らその額を計算し、自己申告によって適正に納めなければならない、と定めています。(「申告納税制度」)
では、サラリーマンの人たちがなぜ自己申告をする必要もなく、「年末調整でいくら還って来るかな。」などと、のんきに構えていられるのかと言えば、それは会社側が各従業員の納税作業を”代行”してくれているからに他なりません。
会社が、その年に、その人にかかって来る税金の額をあらかじめ試算し、毎月少し多めに集めておくことで、納税のための資金を確保し、最終的にその年の正確な納税額が判明した時点で、多く集め過ぎていた部分を本人に返還するという作業(これがいわゆる「年末調整」)を毎年毎年行ってくれているおかげで、会社員(公務員等含む)たちは税務処理を気にすることなく平穏な毎日を送ることができているわけです。
と、ここまでの流れに関しては、ほとんどの方に「バカにするな。」と思われてしまうぐらい基本中の基本とも言える部分になりますが、問題はここから先のお話です。
ここから先は、今回のメインテーマである「”不動産売却”に際しての”税務処理”」という視点での内容になりますが、自分の手で税務処理や確定申告といった手続きをとった事が無い人が見落としがちなポイントについてお話していきます。
冒頭でも触れた通り、不動産売却においても結局はその納税処理については専門家に頼むということになるわけですが、税務処理の基本事項として押さえておくべきポイントという意味で是非理解しておくようにしてください。
まず、税金を納めるという行為は、その基本的な考え方として、対象となる一年間の期間において納めるべき税金について、
- 整理する(考える)
- 計算する
- 申告する(書類提出)
- 納める
この4段階に分けて処理が進められるという風に捉えることが可能です。
そしてこれらそれぞれの税務処理について、それを専門に取り扱っている”専門家”というのが、いわゆる「税理士」と呼ばれる人たちです。
ただ、ここがあまり知られていない部分なのですが、実は誰かの”税務処理を代行する行為”というのは、そのほとんどの部分がこの”税理士”にしかできません。
これはもちろん、”能力的に”という意味ではなく、”法的に”という意味においてです。
もし仮に、自分自身の手で、税務にまつわる法制度やその改正ポイント、処理の方法や資料等の管理義務についてまで正確かつ適正に把握し、自ら全ての税務処理を完璧に行うということであるならば、特に何も問題はありません。(税務処理を全て自分で行っているからです。)
しかし現実には、多くの人が専門家に頼らざるを得ないというのが実情でしょう。
この「(税務処理を) 誰かにお願いする」、つまり「(税務処理を) 代行してもらう」という行為に関して、唯一その行為を認められているのが、税理士の人たちなのです。
つまり、要点をまとめると、税務処理については、
- 自分で100%”完璧に”できるのならば自分でやっても良し
- 自分でできない場合には、税理士に頼まなければならない
ということです。
上記の4つの処理段階で言えば、1および2に該当する「個別事例に関する税務相談を受ける」という行為についても税理士にしかできませんし、3に該当する「税務書類の作成代行」「申告の代行」に関しても、税理士にしか認められていない行為ということになります。
こういう話をすると、ほとんどの方が「税務処理なんて、そんなややこしいこと自分でできるわけがないし、そもそも自分でやろうなんて全く思ってません。」と感じられるかもしれません。
ではなぜ今回最初にこのことを強調しているのかというと、まず「(税務関係に関しては) 不動産業者の話を全て鵜呑みにしていけない。」ということを伝えておきたかったからです。
「不動産業者」というのは、当然のことながら「”不動産の”プロ」であって、「”税金”のプロ」ではありません。
もちろん不動産売買にまつわる税制等については、その経験値等からある程度把握しているという場合も多いかとは思いますが、彼らに「正確な税制や税務情報を把握しておく」という”義務”はありませんし、そもそも前述の様に税務アドバイスを行う資格を有してもいません。
したがって、不動産屋さんの言うことはあくまで”参考”として聞かせてもらうに留め、確実な事は必ず「税理士」に確認をとるという姿勢を常に意識しておくようにしてください。
さらに、この税務処理に関して間違った方向へ進んでしまう可能性のある、特に危ないタイプの人というのが、「身近な人で税制に詳しい人がいる」という人です。
家族や友人・知人といった、気の置けない、常日頃から信頼している人にそういった税制に詳しい人がいる場合に、その人から仕入れた情報を元に何らかの重要な決断等をくだしてしまうといったことが起こり得ます。
繰り返しますが、税務処理に関する業務というのは、”代行する”という場合においては、税理士資格のない人がその行為を行うことはできません。
すなわち、いくら税務に関する知識が豊富で経験もあるような人が身近にいたとしても、税理士資格のない人に税務処理の代行を頼むということは絶対にやってはいけないのです。
税務に疎い人というのは、やはりどうしてもこういった部分を軽く考えてしまう傾向にありますので、このようなタイプの人はくれぐれも注意が必要です。
したがって、もう一度繰り返しますが、不動産倍売却で税金について考える時の最も基本的な注意点としては、
税務処理に関しては、自分で完璧にするか、もしくはそれが無理なのであれば、税理士に依頼するしかない
という風に理解をしておけば問題はありません。
ただし、厳密には「税務”アドバイス”」の1つの分野として、「会計監査業務」や「コンサルティング業務」といった範疇に該当する行為に関しては、税務申告という税理士業務の範疇に含まれない部分というものも存在しますので、他の専門家に依頼するということも考えられなくはありません。(この辺りの厳密な業務の棲み分け等については、細かく見ていくと非常に複雑な話にもなってきますので、ここではシンプルに上記の考え方のみを覚えておけば大丈夫です。)
あなたの不動産売却に税金はかかる?かからない?
さて、ここまで税務処理に関する”基本のキ”の部分について触れてきましたが、ここからはいよいよ実際の「不動産売却にまつわる税制」についてお話していきたいと思います。
まずはじめに知っておいてもらいたいことは、既にちらっと触れましたが、「不動産を売却すると、その全ての場合において受け取った売却代金に対して税金がかかって来るというわけではない。」ということです。
各種税制上の優遇措置や控除項目等を適用することで、「譲渡所得なし」とみなされ、「税金を支払う必要なし」となるケースもありますし、すぐに税金を納める必要がなく、将来にわたって納税を繰延べて他の利益と「損益通算」ができるというケースも考えられます。
したがって、まずはじめにあなたが確認すべきことは、
『今回のあなたの不動産売却には、税金が発生するのかどうか。』
という事です。
ここから先の内容は、税額の求め方やその節税方法についてお話していくわけですが、そもそも税金がかからない不動産売却をしようとしている方にとっては、実務上税制について詳細を知る必要が無いという以前に、税制の詳細について知っていても意味がありません。
要は、当たり前のことですが、「最終的な手取り額を知るために、税制について知る必要がある人」というのは、「その売却に税金がかかって来ることになる人たち”だけ”」、という事になるわけです。
そこで、まずはあなたの不動産売却に税金がかかって来るのかどうかを知るための”手掛かり”として押さえておくべきポイントについてご紹介をしていきたいと思います。
不動産売却に関する税制のポイント
ではここからは、「あなたの不動産売却に税金がかかってくるのかどうか」ということを知るために押さえておくべきポイント、そして、不動産売却の税制を知る上で、これだけは知っておきたいという主要な項目についてまとめていきたいと思います。
それが以下の様な項目です。
- 税金が発生するのはあくまで「譲渡所得」が発生した場合
- 居住用建物(マイホーム)の売却に対しては「税制優遇」がある
- 「所有期間の長短」で「税率」が変わる
- 「相続」関連の売却は”別物”
それぞれ見ていきましょう。
税金は譲渡所得に対してかかる
まず1つ目のポイントとして挙げられるのが、何よりも不動産を売却した際に税金を納める必要が出て来るケースというのは、あくまでも「譲渡所得」が出てしまった場合に限られているということです。
多くの方は、「売却によっていくらかのお金が入ってくることになりそうだ。」というだけで、そこから何%かの税金を支払う必要があるという風に誤解してしまっているのですが、実際にはそういうことにはなりません。
税制上の利益のことを「所得」という風に言いますが、この「譲渡所得」というのは、文字通り、”譲渡した時”、つまり”売却した時”に出た”利益”、つまり”所得”ということになります。
では、この「譲渡所得」とはどのように計算し、どういった場合に「譲渡所得あり」となり、どういった場合に「譲渡所得なし」という判断になるのかということについてですが、これは端的には、以下の様に表すことができます。
売却価格 - { 取得費 (購入代金&購入に要した費用) + 譲渡費用 (売却に要した費用)} - 控除額 = 譲渡所得 (これがプラスかマイナスか)
※それぞれの項目については、後ほど詳しく解説します。
そして、
- プラスの場合:譲渡所得あり → 税金がかかる
- マイナスの場合:譲渡所得なし (譲渡損あり) → 税金がかからない
と判断することができるわけです。
つまり、今回売却する不動産を購入(取得)した時、および今回の売却に際して直接必要となった「費用」項目の合計が、今回売却した時の「売却価格」を超えていれば、その不動産を売却したことで譲渡所得(利益)は発生していない(=損をしてしまっている)ということになり、納めるべき税金は発生しないということになるわけです。
(例) 今回売却する不動産を取得した時に、不動産会社に支払った手数料やその他諸費用等もろもろを合わせると【3,500万円】がかかったが、今回その物件が【2,500万円】で売れた(売却に要した費用等は【200万円】)。という場合
【 2,500万円(売値) ー { 3,500万円(買値) + 200万円(売却時諸経)} = マイナス 1,200万円】
となり、譲渡所得(利益)は発生していない、ということになり、税金は発生せず、
【 2,500万円(売値) - 200万円(売却時諸経費) = 2,300万円】
この「2,300万円」が「手取り額」ということになります。
ちなみに、「マイホームを売却して損が出た」という場合については、後述の「マイホーム」の売却で【譲渡損失】が生じた場合をご参照ください。
売却する不動産が「マイホーム」であったか否か
続いてのポイントは、売却しようとするその不動産が「マイホーム」であったかどうかという点です。
というのも、「”マイホーム”を売却する」という場合については、一定の条件下において様々な税制優遇が受けられるようになっているのです。(イコール、税金がかかって来ない可能性が高くなる、という事。)
つまり具体的には、上記の(例)の様な譲渡所得がかからないケースとはならず、想定よりも高く売れるなどして譲渡所得が発生することになった、といった場合でも、それが「マイホームの売却」であれば、その発生した譲渡所得から【3,000万円】を引いた金額を「課税譲渡所得」(=税金がかかる利益の金額)として良いとされているわけです。(これが「譲渡所得」の計算式の中での「控除額」の部分になります。)
(例) マイホームを売却した結果、【譲渡所得:2,000万円】が発生したが、そこから【控除額:3,000万円】を引くと、最終的な「課税譲渡所得」が【マイナス1,000万円】となるため、「譲渡所得は発生して”いない”」とすることができ、税金を支払う必要はない
そして、それでも譲渡所得が発生するという場合には、その課税譲渡所得に一定の税率を掛けることで算出した税金を納めるということになるわけですが、この【税率】にもある条件によって違いが存在します。
その条件というのが、「所有期間」です。
マイホームの所有期間が10年を超えている場合には、上記の控除:3,000万円を控除後の譲渡所得に対し、「軽減税率」が適用されます。(イコール、普通より低い税率で税額を計算してよいので、支払うべき税金が少なくなるという事。)
譲渡所得金額(10年超所有) | 所得税 | 住民税 |
6,000万円までの部分 | 10% | 4% |
6,000万円超の部分 | 15% | 5% |
※次章の通常の「税率」と比較しても低い税率となっていることが分かります。
※ただし、この「軽減税率」と、前項の「3,000万円の特別控除」は”選択適用”となっていますので、どちらかを選ぶという事になってきます。
さらに「マイホームの売却」に際しては、「マイホームを買換えた場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例」という制度も用意されています。
これは、
マイホームを売却して、新たにマイホームを購入した場合、以前住んでいた家の売却によって損失が生じた場合には、一定の条件を満たすものに限って、その損失をその年の給与所得や事業所得といった他の所得と通算することができる
さらに、その年に通算を行っても控除しきれなかった損失の部分に関しては、譲渡の年の翌年移行3年以内に限り、同じ様にその他の所得と通算することができる
というものです。
ただし、この中でも示されている通り、その”適用要件”や”適用除外要件”、また適用を受けるための”申告手続き”に関して、様々な規定が設けられていますので、それらの項目については、以下を参照していただきたいと思います。
【参考】 国税庁 「マイホームを買換えた場合に譲渡損失が生じたとき」
「マイホームの売却」にあたっては、最も重要な税額を減らすことのできる制度というのがこうした損益通算の制度ということになるわけですが、さらにこれに加えて、様々な条件を満たすことで各種控除や税制優遇を受けることが可能になる制度というものも用意されていますので、こちらも詳細については以下をご参照いただければと思います。
マイホーム売却時の税制について詳しくは、『国税庁 「マイホームを売ったとき」』
「所有期間の長さ」で税率が変わる
次に3つ目のポイントについてご紹介していきます。
3つ目は、「その不動産の所有期間の長さ」によって、譲渡所得に対してかかって来る最終的な税率が変わる、ということです。(上記の2つ目のポイントの中でも少しご紹介した「長期譲渡所得」と「短期譲渡所得」についての内容になります。)
具体的には、売却する不動産の所有期間が「長期:(売却した年の1月1日現在で) 5年超」であれば【所得税:15%、住民税:5%】、「短期:5年以内」であれば【所得税:30%、住民税:9%】の税率が適用されることになり、まとめると、
区分 | 所得税 | 住民税 |
長期譲渡所得 | 15% | 5% |
短期譲渡所得 | 30% | 9% |
このようになります。
つまり端的に言えば、その不動産の所有期間が「売る年の1月1日時点で【5年】を超えているかどうか」によって、大きく税額が異なってくる、ということです。
これは非常に大きな違いになってくると共に、自分でコントロールができてしまう部分でもありますので、考えようによっては「急いで売却する必要があるわけでもないので、所有期間が5年を超えるまで待とう。」という判断も可能になるという事です。
ただし、この売却タイミングを検討する上においては、「不動産市場は非常に”流動的でもある”」という点についても考慮しておかなければなりません。
滅多にあることではないものの、ひとたび”バブル崩壊”や”リーマンショック”のような事態が発生すると、一気に買手が付かないといった状況に陥ってしまうというリスクや、不動産市況が暴落するといった事も考え得るわけですので、その辺りの兼ね合いについてもよくよく検討する必要が出てきます。
相続にまつわる不動産売却は”別物”
最後に、これはポイントというよりも「注意事項」とでも言うべきことかもしれませんが、「”相続”に関しては、同じ”不動産売却”にまつわる話であったとしても、『別物』である」ということです。
「相続」が発生した場合の不動産売却にまつわる論点については、ここで簡単に解説できるような代物でもないため、↓コチラ↓を参考にしていただければと思います。
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『税額』や『手取り額』について、
- 「とにかく自分で考えるのは面倒。」
- 「そもそも難しい話はよく解らない。」
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そんな方は、↓コチラ↓も検討してみられると良いかもしれません。
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【参考】国税庁『土地や建物を売ったとき』
不動産を”売却”するとどのぐらい税金がかかるのか
さて、いよいよ大詰めに参りましたが、ここからは実際に税額を計算し、最終的な手取り額をイメージできる所まで進めていくことにしましょう。
当然ですが、前章でお話した通り「自分の不動産売却の場合だと税金が発生する」という場合にのみ、これからご紹介していく内容を参考に、最終的にいくら手元に残るのかということについて確認していってもらえればと思います。
税金の区分
そもそも世の中には「不動産にまつわる税金」という意味で言えば、その維持に係る費用としての「固定資産税」といったものから、賃貸することによって発生する「消費税」や「所得税」、「住民税」といったもの、そして相続に関連するものであれば「相続税」など、様々な名目のものが存在します。
その中でも、今回は特に「不動産の”売却”」のみにフォーカスしてお話していくわけですが、この「不動産を売却して税金を支払う必要が出てきた」という場合の、税金の”納め方”としては、【分離課税】と呼ばれる課税方式が適用されることになります。
この「分離課税」とは、読んで字のごとくではありますが、その他の所得(「給与所得」や「利子所得」など)とは「分けて(分離して)計算、賦課される税金」ということです。
ちなみに、「分離課税」とは反対に、ある一定の課税対象となる所得について”全て合算して(総合して)”課税する課税方式のことを、「総合課税(方式)」と呼びます。
ただし、税額の申告および納税手続きなどについては他の所得と同じく「確定申告」によって行うことになりますので、その点は注意してください。
税額の計算方法
不動産売却によって”譲渡所得”が発生することとなった場合、すなわち、税金がかかって来るということが判明した場合には、その譲渡所得に対してどのような計算をすれば、「支払うべき税額」と「最終的な手取り額」を知ることができるのでしょうか。
まず、復習になりますが、「不動産売却時の【税額】」というのは、【”売却”した金額(譲渡価額)】から、【その対象不動産を”購入”した際の代金とそれに要した費用(取得費)】、【今回売却するのに要した費用(譲渡費用)】、そして【特別控除額】を差し引いた、【利益(譲渡所得)】に対して、【税率】を掛けることによって求めることが可能ということでした。
つまり、これをまとめると、
【 譲渡所得 】
= 売却価格 ー ( 取得費 + 売却にかかった経費 + 特別控除 )
【 税額 (不動産売却時) 】
= (上記計算式によって求めた) 譲渡所得 × 税率
このようにして求めることができるわけです。
では次に、これらの計算式に出て来る各項目について、その詳細を確認していくことにしましょう。
売却価格 (=譲渡価額)
まず「売却価格」(=譲渡価額)についてですが、これは文字通り「売却した時の金額」、すなわちあなたがその不動産をいくらで相手に売却したのかという金額そのものになります。
あなたの不動産が1,500万円で売れたのであれば1,500万円、5,000万円で売れたのであれば5,000万円がこの【譲渡価額】となるわけです。
購入金額 (=取得費)
これも文字通りで、「いくらで購入したのか」という購入時の金額、と言い切ってしまいたいところなのですが、実は違います。
上記の「売却金額」と違って注意が必要なのが、その購入時の金額に『減価償却費』というものを考慮して算出する必要があるということです。
この「減価償却費」については、ここでその内容について細かく解説をしてしまうと、論点が大きくずれてしまいますので、ここでは、
「減価償却」というのは、その対象の資産(今回であれば「不動産(建物のみ。土地は減価償却しない)」)が、「毎年毎年価値が目減りしていく。」という考え方に基づくもので、年数が経過するごとにその「取得費(=購入金額)」も下がっていく、という捉え方
という風に理解しておいてもらえれば十分です。
また、この「減価償却」を計算していくにあたっては、2つ注意点が挙げられます。
1点目は、「減価償却されるのは建物のみで土地は減価償却されない」ということです。
簡単に言えば、建物は年数を経るにしたがって古くなりますが、土地はその状態に変化は起きないと考える、ということです。
これはもう「税制上そのように決められている。」と理解するしか仕方がないので、単純に「建物は減価償却を考慮する必要があるが、土地は購入時の金額がそのまま取得費となる。」と覚えてしまいましょう。
そして2点目が、「その建物が”事業用”なのか”事業用以外”なのかによって減価償却費が変わってくる」ということです。
これも「事業用途で使用されていたのか否かによって、減価償却費の計算の方法が変わってくる」とだけ覚えておけばそれで十分です。
ということで、「(建物の) 取得費」については、
【(建物の) 取得費 】
= 購入金額 ー 減価償却費 +購入に際して要した費用
このようにして求めていくことになります。
そして、事業用途であったか否かによる減価償却費の算出方法の違いについてですが、まず【事業用途として使用されていたもの】については、建物の取得時点から売却の時点までに「毎年計上してきた減価償却費の合計額」がその建物の減価償却費となります。
一方、【事業用途ではなかったもの】に関しては、まず減価償却費を以下の計算式によって求めていきます。(この章の最後に計算例を示していますので、そちらも併せて参考にしてみてください。)
減価償却費 (事業用途以外の建物)
= 建物の取得価額 × 0.9 × 償却率(以下参照) × 経過年数
【「償却率」一覧表】
区分 | 木造 | 木骨・モルタル | 鉄筋コンクリート | 金属造①※ | 金属造②※ |
償却率 | 0.031 | 0.034 | 0.015 | 0.036 | 0.025 |
※経過年数については、6ヶ月以上の端数は1年、6ヶ月未満は切り捨て
※建物の取得価額の95%が限度
※購入時の取得費が不明の場合は、売却代金の5%を取得費として計算
※対象不動産の土地部分と建物部分の区別が明確でない場合、「固定資産税評価額」における”価格比”で案分して算出するのが一般的
※金属造①:軽量鉄骨造のうち骨格材の肉厚が3mm以下の建物。金属造②:軽量鉄骨造のうち骨格材の肉厚が3mm超4mm以下の建物
【参考】国税庁「建物の取得費の計算」
さらに、上記の項目を勘案して購入金額に減価償却を加味した後、その不動産の「購入に際して要した”費用”」についてですが、どのような項目があてはまるのかというと、
- 仲介手数料 (購入時)
- 印紙代 (売買契約書)
- 登録免許税
- 造成費
- 司法書士代
- 不動産取得税
- 借入関連費用
- 固定資産税等清算金
- 取壊し費用 等
こうした項目が挙げられます。
なお、上記※にも記載の通り、購入時の取得費について詳細が不明という場合については、「【売却代金の5%】を取得費とする」とされていますので、もしもそうなってしまった場合には、売却代金に対して取得費が極端に安い価格での扱いとなってしまうため、非常に多額の税負担が発生するということになってきます。
したがって、上記「取得費」に含まれるその他費用の部分についても可能な限り資料を集めておくなどし、なるべく実際に要した費用を積算する形で取得費が計算できるようにしておくことが大切です。(もちろん、何代にもわたって相続しているものや、取得にかかる詳細が全く把握できないような物件であれば仕方がありません。)
【参考例】
2,000万円の住居用木造建物を、その他購入費用500万円をかけて購入し、15年経過している場合
減価償却費相当額 = (2,000+500)×0.9×0.031×15 = 1,046万円
この1,046万円が減価償却費となり、建物の取得費として建物自体の購入代金以外に500万円を要したとすると、
【”建物”の取得費】は、2,000+500-1,046= 1,454万円 となり、
これに【”土地”の取得費】を足したものが、【その不動産の取得費】ということになります。
1,454万円 + 土地の取得費 = その不動産の取得費
売却にかかった費用 (=譲渡費用)
次に、今回売却を完了するのに要した費用=「譲渡費用」について見ていきましょう。
これは、主な項目としては、
- 土地や建物を売るために不動産業者等に支払った仲介手数料
- 売主が支払った印紙税
- 売却物件が貸家でその借家人に立ち退いてもらうための立退料
- 建物を取り壊した場合の費用とその建物の損失額
- 売買の過程で発生した違約金
- 借地権売却のかかる名義書換料など
このように、今回その物件を売却するにあたって、直接かかってきた費用を、譲渡費用として計算します。
これはつまり、建物の修繕費や、これまで負担してきた固定資産税などについては、その資産(不動産)を”維持”および”管理”するために支払ったものとなるため、この譲渡費用の中には含まれないということになりますので、その点もここで注意が必要です。
特別控除額等
さらに、不動産を売却した際に「譲渡損失」が出た場合には「損益通算」や「繰越控除」が可能になったり、自分が住んでいた家「マイホーム」を売却する場合などには、一部「特別控除」などが認められているというのは既に説明した通りです。
「控除」というと、途端にややこしく感じてしまう方も多いですが、これは税金の世界の”専門用語”とでも考えておけば良いもので、全く難しいものでもなんでもありません。
簡単に言ってしまえば、「控除」というのは、「引いても良いもの」です。
今回お話している不動産売却に関して言えば、繰り返しお伝えしている通り、その税金は「譲渡所得(利益)が発生した場合に、その利益に対してかかるもの」でした。
ということは、このそもそもの利益に対して、何か「引いても良いもの」があり、その利益を少なくすることができたならば、結果的にその分税金も少なくなるわけです。
したがって、国が、ある一定の条件をクリアしている場合に関しては、「税額を計算するベースとなる”譲渡所得”を少なく見積もっても構いませんよ。」と認めているもの、それがこの「控除」ということになるわけです。
さらにマイホームの売却によって損失が出てしまった場合に関しては、「その後に発生した他の利益と通算することによって、利益を圧縮し、税額を少なくしても構いません。」と言っているもの、それが「損益通算」であるという点も、既に説明した通りです。
税率
これも既述の通りです。
【長期譲渡所得】なのか【短期譲渡所得】なのかによって税率が変わってくることになり、また「マイホームの売却」に関しても特別に適用される税率というものが存在します。
何か特別売却を急がなくてはならない理由等が無い限りにおいては、こうした税制優遇措置が受けられるタイミングを狙うということも検討に値するかと思います。
不動産を売却して【譲渡損失】が生じた場合
不動産売却の税制について押さえておきたいポイントとして最後に取り上げるのが『不動産売却によって「譲渡損失」が発生した場合』についてです。
”マイホーム”の売却によって譲渡損失が発生した場合の税制優遇については、「売却する不動産が「マイホーム」であったか否か」の章でお話した通りですが、ここではマイホームでないものも含む”不動産”を売却した場合の譲渡損失の取り扱いについてです。
この場合についても、税制優遇の制度が設けられており、「損益通算」という制度を適用させることが可能です。
まずこの「損益通算」という制度は、解り易く言うならば、
(不動産を売却して)損失が出た場合、その損失を他の利益と相殺し、税額を減額させることができる
というものになります。
ただし、ここでの”他の利益”に関しては、短期譲渡所得として扱われる所有期間のものの売却損の場合と、長期譲渡所得として扱われる所有期間のものの売却損の場合とで、相殺できる対象の利益(=所得)が変わってきます。
すなわち、制度の概要をまとめると、
個人が居住用財産であった土地や建物を売却して出た譲渡損失に関しては、それが短期譲渡所得に該当する所有期間のものの譲渡損であれば、その他の土地や建物の売却による譲渡所得との通算、長期譲渡所得に該当する所有期間のものの譲渡損であれば、一定の条件を満たす場合に限って譲渡した年のその他の所得との通算が可能(さらに長期譲渡所得の場合、余った損失部分については、譲渡の年の翌年以降3年間にわたって繰り越すことが可能)
※譲渡の年の1月1日時点において、その不動産の所有期間が5年を超えていれば「長期譲渡所得」、5年以下なら「短期譲渡所得」
このようになっています。
損益通算について理解ができましたでしょうか。
長期譲渡所得に該当する売却による譲渡損の取り扱いにおいて、各種要件を満たすことで、事業所得や給与所得など他の所得との通算も認められているというのは、場合によっては非常に大きな節税効果が見込まれます。
もしもあなたが、将来的に何か大きな収入を得る可能性があることが予測されるということであれば、そのタイミングを見計らっての不動産売却という選択肢も、場合によっては考え得るということが言えるかと思います。
【参考】 国税庁 「不動産を譲渡して譲渡損失が生じた場合」
売却時の手取り額を増やす「節税テクニック」
最後に、不動産を売却するにあたっての「節税」のための方法をいくつかご紹介して、今回の記事の締めくくりとしたいと思います。
ただし、当然のことではありますが、違法な手段による”脱税”や、税法のグレーゾーンをつく様な”際どい”テクニック、さらには”力業(ちからわざ)”で納税額を極端にギュギュっと小さくしてしまえるような裏技といったものは、残念ながらありません。(仮にあったとしても、それは犯罪です。)
その一方で、気を付けておくだけで税額を圧縮できるポイントというのが存在するというのも確かな事です。
そしてそれは何なのかと言うと、
「まずは取得費を算出することをあきらめない」ということです。
本文中でもご紹介の通り、取得費をこちら側で証明できない場合、税額の計算式上「売却代金の5%を取得費として計算」されてしまう事になりますので、そうなるとそれこそ売却代金そのものがほぼ課税対象の所得という事になってしまい、非常に高額な税金が発生してくるという結果を招いてしまうことになります。
したがって、取得費として1円でも高く過去に支払った経費を積み上げていくことで、税額圧縮を目指すようにしましょう。(もちろん虚偽の項目を計上することなどは論外です。)
さらに、節税、税額を減らすということを考える上で最も大切なことは、上記でご紹介したような税制上の「優遇措置」や「特例措置」などに該当する項目はないか、もっと言えば、該当する形に”持って行く”ことはできないか、といったことをしっかりと検討していくという事です。具体的には、
- 所有期間を長くできないか
- マイホームの買い換えとして扱える形にできないか
- 住宅ローンの残債はないか
- 将来的に繰越控除が使えるような大きな所得の発生するタイミングはないか
- 不動産の節税に強い税理士を紹介してくれる不動産会社はどこか
というような項目になります。
これらの手法は一見”正攻法”とも取れる、いわば”通常のアプローチ”ではありますが、捉え方や扱い方を変化させたり、税制上のメリットを考慮した上でのタイミングを選択するなどによって、時には非常に大きな節税効果が生まれてくるというのも、これまた事実です。
そして、当然のことながら、税制上認められているものを適用した形での節税というのは、違法でも何でもありません。
したがって、これらの該当項目の検討については、できる限り諦めることなく、愚直に「1円でも税額を減らす。」という意思を持って取り組んでいただければと思います。
もちろん、素人なりにできる範囲というのは現実には限られてくるかとも思いますので、不動産会社および税理士選びに関しても、抜かりなく取り組んで行くようにしましょう。
NO35
まとめ
大変お疲れさまでした。
法律や計算が苦手という方にとっては、非常に気が滅入るような内容ばかりだったかとは思いますが、当サイトなりには”解り易く”、そしてなるべく”シンプルに”解説してきたつもりです。
不動産売却にまつわる税制というのは、他の様々な税法等と同じように、細かな控除項目や制度内での適用要件等が数多く存在し、それを正確に把握し続けるだけでも大変なです。
本文中でも触れました様に、税務処理を業務として行うことは税理士にしか認められていませんが、その資格が難関資格となっていることからも解るように、税務に関して求められる知識や処理能力というのは並大抵のものではないのです。
しかし、そうは言うものの、不動産を売却する側の立ち場としては、1円でも多く売却代金を手元に残したい、と考えるのは至極当然のことだと思います。
したがって、経験豊富な不動産会社や不動産関係の税制に強い税理士を見つけるということも非常に大切ではありますが、やはり”その道の素人”であるあなた自身が、少しでも知ろうとする姿勢を持つということも大切な要素の1つであることに間違いありません。
実務的には売主が税務の知識を持っている必要はないと言えども、やはり専門家との打ち合わせでの議論や、実際に決断を下すという段になって、その判断が100%誰か専門業者に委ねたものなのか、それとも自分自身でも調べ尽くした上で導き出した”納得のいく”答えなのか、という差は非常に大きなものになると思っています。
でも、あなたなら大丈夫です。
こうして税制に関して、色々と調べようとネットを使って勉強をされているあなたの姿勢は、いつか必ず報われます。
ですので、これからも納得のいく売却、そして不動産売却の成功を成し遂げるためにも、引き続き情報収集に励んでいただければと思います。
そして、当サイトがもしその一翼を担うことができたならば、サイト運営者としてはそれ以上嬉しいことはありません。
陰ながら、あなたの不動産売却の成功をお祈りしております。
それでは。